ただ、野球がしたい-。巨人を自由契約となった村田修一内野手(36)が24日、現役続行への思いの丈を吐露した。神奈川県内での球団納会ゴルフと、静岡・熱海市内での納会に出席。他球団からの獲得オファーを待つ意向をあらためて表明し、打診があれば来春キャンプのテスト参加も辞さない覚悟を示した。本塁打王2度、通算2000安打まで残り135本という強打者は、純な思いを貫く。

 男らしく、村田は背筋をピンと伸ばした。老川オーナーら球団幹部や職員らスタッフも一堂に会した納会。自由契約の身で肩身が狭くなるのも承知で、宴席に姿を見せた。「フェニックスリーグに行っていて顔を合わせていない選手、コーチもいる。納会でお世話になった人にあいさつをしなければと思っていた」。笑顔で頭を下げ、握手し、自分の席に腰を下ろすと、6年間ともに戦った仲間との惜別の宴をかみしめた。

 現状は厳しい。他球団からの獲得オファーはないと告白。「待っている時間が長いからいろんな考えが出てくるし、難しい立ち位置にいる。最終的には自分で決めないといけない。野球がしたい、ただそれだけです」と本音を絞り出した。

 それでも必要とされるのを信じて待つ。「ずっと(待つ)というわけにはいかない」と無期限で待てない現実を理解しつつも、自宅周辺でキャッチボールやティー打撃を継続。「準備はできていればいいかなと思う」と、求められれば来春キャンプでのテスト受験も辞さないほどの覚悟も示唆した。若手育成を掲げる球団が多い現状は分かっている。「条件うんぬんではない。村田を欲しいというところで野球ができれば」との純な思いが心の支えだ。

 明るさも失っていない。同学年の杉内、実松らとラウンドした納会ゴルフは、グロス86のネット71・6で優勝。最終ホールでは約10メートルのバーディーパットを沈め「最後に2オンでバーディー。俺はまだ持ってる!」と声を張り上げた。「プロに入るのも活躍するのも運、タイミングがある。次のステップもそうだと思う。しっかり整理して次に進もうと思う」と力強く言葉を結んだ。【浜本卓也】