阪神が10日、DeNAにFA移籍した大和内野手(30)の人的補償として尾仲祐哉投手(22)を獲得した。尾仲は来季2年目の速球派右腕。球団は前日9日にプロテクト名簿を受け取ったばかりで、異例の即決だった。谷本球団副社長兼球団本部長は「年齢も若く、能力も非常に高い選手という評価で、将来性も十分ですし、来シーズンからも勝負できる素材だと思っております」と説明した。

 球団が選定を進め、金本監督に推薦した。指揮官はこの日、大阪市内で取材に応じ、印象を語った。「僕も確認して、面白いピッチャーですね、と。2年目で若いしね。伸びしろがあるから。調子がいい時は150キロを超えているし」と納得の獲得だ。

 尾仲は「持っている男」でもある。プロ初勝利は、8月22日の広島戦。8回に登板し、2イニングを完璧に抑えた。快投で流れを作ると、3者連続本塁打による逆転サヨナラで白星を得た。「あの時もいいボールを投げていた」と金本監督もチェック済み。今季はすべて中継ぎで11試合に登板したが「タイプ的には先発かなと思う」と、来春キャンプで適性を見極める。

 阪神は、新外国人のウィリン・ロザリオ内野手(28=韓国・ハンファ)と今日11日にも正式契約を交わす可能性があり、18年の戦力が固まる。

 ◆尾仲祐哉(おなか・ゆうや)1995年(平7)1月31日、福岡県生まれ。高稜高3年夏は福岡大会初戦敗退。広島経大では大学選手権に2度出場し、16年の九州国際大戦で8回14奪三振。16年ドラフト6位でDeNA入団。17年成績は11試合1勝1敗、19回1/3で17奪三振、防御率6・52。173センチ、72キロ。右投げ左打ち。