巨人岡本和真内野手(21)が西武中村剛也内野手(34)と合同自主トレを行った。今季0本塁打に終わった岡本は6度の本塁打王と通算357本塁打を誇る中村から、本塁打量産への心構えを伝授された。「おかわり君」との合体で、才能開花への手応えをつかんだ。

 時計の針は午前0時近かった。4月末、岡本は意を決して、携帯電話を握った。「今年のオフ、中村さんと1度練習したいです。何とか、お願いできませんか?」。西武中村と共通の知人に合同トレを懇願した。自身初の開幕1軍入りも、12試合で打率2割2分7厘、0本塁打、2打点で4月21日に2軍に降格。「何か変えないと」。面識はなかったが、飛躍への1歩を刻むために勇気を出した。

 中村は知人を介し、一言で返答した。「別に、ええよ」。高卒、大砲、三塁手。シャイな性格も同じで、岡本は気になる選手だった。中村自身、05年に22本塁打で定位置をつかみかけるも、その後2年は不振。転機は07年秋季キャンプだった。当時の大久保打撃コーチから「前で打て」と助言され、翌年46本で初の本塁打王を獲得した。「30本は普通に打てる」。1つのきっかけで人は変われる。和製大砲が減った今、中村が大砲論に一石を投じた。