23日に中日入団テストを受ける前ソフトバンク松坂大輔投手(37)の沖縄行きが20日、決定的になった。中日森繁和監督(63)が「追試」の準備もしていることを明かした。追試の場合は沖縄・北谷キャンプにテスト生の身分で参加する可能性が高い。仮に23日にベストのパフォーマンスを披露できなくても「即・不合格」は事実上消滅。より温暖な沖縄で、長い期間かけての再テストとなれば、中日入団への道が大きく開けてくる。

 現役続行のチャンスを得た松坂には、さらなる朗報だ。23日に名古屋で入団テストの場を設ける中日が、キャンプ地・沖縄での追試も想定していることが判明した。

 この日、ナゴヤ球場を訪れた森監督は追試の可能性を聞かれると「あるんじゃないの。2段階? 3段階、4段階とあるんじゃないの」とコメントした。即・不合格とする選択肢は事実上外している。できる限り、合格への門戸を整えてあげたい“親心”が垣間見える。

 松坂の実績、カリスマ性などを考慮すれば、23日に合格、すぐ入団会見の運びになる可能性は十分ある。しかも、状態は良好との情報が中日には入っている。

 中日の編成担当で、西武時代から気心が知れている友利結氏(50)によると、松坂サイドからのリポートを定期的に入手。また、昨年11月にソフトバンクを退団した後の投球ビデオも球団幹部や森監督が確認し、フォームが改善されていることを確認している。友利氏はこの日「報告を聞いている限りは大丈夫じゃないか」と、テスト合格への見通しを語った。

 それでも、今回の入団テストは厳しい環境下で行われる。ナゴヤ球場の室内練習場。当日の名古屋は冷え込みが予想される。気温20度を超える米ロサンゼルスで、半袖1枚で練習を積んできた松坂がベストパフォーマンスを出すのは難しいかもしれない。だが、温暖な沖縄での追試が用意されることで、リスキーな「一発勝負」ではなくなった。

 西武時代にコーチとして接点があった森監督も松坂の存在を特別視。日本球界の大功労者に、現役続行の道を用意したい気持ちを持ち続けてきた。もちろん戦力としての期待も高く、存在自体がチームに好影響になると見込んでいる。森監督は判断基準について18日に「顔を見られればいい」と冗談含みで話したが、すでに沖縄行きは決定事項になっているようだ。

 松坂は11日に米国で日刊スポーツの取材に対し「何が何でも(現役を)続けたい。諦めたくない」と語っている。レジェンド右腕の再挑戦の道は、沖縄にも続いている。【柏原誠】