日本ハム中田翔内野手(28)が、大型ルーキーにマイペースの勧めだ。20日、千葉県内で行われたニッポンハムグループ展示会に出席。ともに2月1日からの米アリゾナキャンプに参加予定で、前日19日に「右手母指基節骨骨挫傷」と診断されたドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18=早実)の状態を気に掛けた。自身はプロ1年目の6月に左手首を故障し、1軍出場なしに終わった。新主将は自身の経験から、じっくりとした調整を推奨した。

 眉間にしわを寄せたのは、一瞬だった。中田が、清宮の負傷に「すぐ治る」と問題なしを強調した。自身以来となる高卒新人の1軍キャンプを射止めた注目ルーキーに右手親指打撲のアクシデント。「ケガしたの?」と心配してみせたが、報道陣から詳細を聞くにつれて「(練習の制限解除まで)1週間かからないでしょ。この時期だから良かった」と笑顔。「今はゆっくり(キャンプインに)合わせてもらいたいね」と優しく背中を押した。

 実体験を元に、歩みを指南した。プロ1年目の08年6月、左手首を故障。当初は捻挫と診断されたが、1カ月後の精密検査で骨折が判明。手術を受け、周囲の期待をよそに1軍出場なしに終わった。「そんなに余裕もなくやっていた」と、焦りが故障につながった要因の1つに挙げた。ルーキーイヤーを棒に振った自らの二の舞いを演じてほしくないと「ケガなく開幕を迎えてほしい」と願った。

 2月のアリゾナキャンプでの「共闘」を心待ちにしている。昨年11月の球団イベントなどで会っているが、この日のニッポンハムグループの展示会で、あらためて対面。「思っていた通り、好青年」と好印象を強くした。新人合同自主トレでのフリー打撃の内容を気にかけるなど、後輩ながら同じ一塁を守る強打者として気になる様子。「一緒にグラウンドに出るのが楽しみ」と話した。

 中田にとって2年ぶりの米国でのキャンプ。清宮も参加予定の1軍キャンプは全体練習後の自主練習など、選手個人の動きが尊重される。「あれだけの選手だから、やりやすいと思う」と話し、キャンプ1軍スタートが新人にとって有意義になることを力説。温暖な気候の中で「しっかり体を動かせると思う」とメリットを挙げた。新キャプテンは、大型新人に腰を据えた調整を勧めていた。【田中彩友美】