日本ハム岡大海外野手(26)が、下克上の場外弾を放った。17日の紅白戦(沖縄・国頭)に、紅組の「3番右翼」でスタメン出場。6回に左翼防球ネットを越える推定130メートルの場外アーチで沸かせた。3打数2安打3打点の活躍で、1軍切符をつかんだ。5年目の今季は、序盤での相次ぐ故障を考慮されキャンプ2軍スタート。覚悟に満ちた今季初実戦で、猛アピールした。

 大歓声にも押されるように打球は伸び、最後は場外に消えた。6回。岡が、今季初実戦で場外弾を放った。初球ファウルで積極的に食らいつき、迎えた2球目。左翼防球ネットを軽々越える、推定130メートルの特大弾だ。「打撃でアピールしたかった」と闘志は内に秘め、普段通り口を真一文字に結び淡々とダイヤモンドを回った。1発を含む3打数2安打3打点の活躍で「2軍メンバー」が、国内初実戦の主役に躍り出た。

 狙いを定めてきた「Xデー」で、結果を残した。5年目の今季はキャンプ2軍スタートとなった。「決まった時から(紅白戦の)17日を意識してきました」と勝負に向けて、気合を入れていた。例年、序盤での相次ぐ故障で伸び悩んでいた。「過去4年間、1年を通してやれていない」と課題を意識していた。壁を乗り越えるため、自身にとっては節目の1日だった。

 栗山監督は「アメリカとの相性を考えて」と、主力ながら日本での調整が最適と判断。高いポテンシャルを持ちながら、力を発揮できずにいた姿を見かねていた1人だった。試合後は「岡大海が帰ってきたなと思った」と笑みをこぼすほど、満足げ。新垣、大累とともに即1軍昇格を告げた。

 苦手克服に向き合い、実を結んだ。岡は食が細く、胃腸が弱いながら昨オフから増量に挑戦。体重80キロ台後半の現在から、キャンプ終了後までに90キロ到達へ、1日7食の食事とウエートトレーニングで肉体強化を図っている。「(増量で)長打力を意識して、それが出て良かった。若くないので(レギュラー取りへ)一気にいかないといけない」。身も心も覚悟で満たし、スタートダッシュを目指す。【田中彩友美】