中日は23日、育成選手の木下雄介投手(24)の支配下選手登録を発表した。背番号は98。ナゴヤドーム内で会見した2年目右腕は「うれしい気持ちもあるが、これからもっと気を引き締めて頑張らないといけない。とにかく1試合1試合思い切りやってきた結果だと思う」と語った。

 150キロの直球を武器に、オープン戦では4試合で計5回1失点と好投を続け首脳陣は救援として高く評価してきた。育成で1人だけ1軍キャンプに呼び、成長を見守ってきた森繁和監督(63)も昇格方針を明かしていた。この日は「使う可能性があるから上げる」と説明した。

 生光学園(徳島)から進んだ駒大を中退。2年間、完全に野球から離れるブランクを経て、四国IL徳島へ。そこで頭角を現し、16年の育成ドラフト1位で中日入りした異色の存在だ。入団時は育成契約にもかかわらず妻子がいることで注目された。1歳5カ月になる愛娘の名前は叶望(かの)ちゃん。その名前の通りに「1年勝負で支配下の夢を叶えたい」と宣言し、昨年1年間は大阪に家族を残して野球に打ち込んだ。昨年12月から名古屋で念願の家族生活を始めていた。

 支配下登録されることを茜夫人(26)に伝えると「叫んでいました(笑い)」と木下雄。「自分の両親、妻、妻の両親に感謝したい。子どもがいるのに(育成で)野球をやらせてもらえたことが大きい」と感謝し、恩返しを誓った。