気合で菅野に投げ勝った! 阪神岩貞祐太投手(26)が7回6安打無失点の粘投。4回まで毎回安打を許すも、試合前からの想定で落ち着いていた。4回2死一、三塁では間合いを長く取り、時間を使って小林を二飛に料理し「考えを整理して投げていきました」。スイスイ投げる菅野を横目に、歯を食いしばって腕を振った。

 原点が岩貞の投球をよみがえらせた。吉川尚以外の8人が右打者。臆することなく、内角直球を多投した。今季はなかなか決まらず、投球の幅が狭まっていた。この1週間はブルペンでも多投して修正。内角直球とチェンジアップ、スライダーのコンビネーションで8奪三振。「いい投球につながったのかなと思います」と少しだけ胸を張った。

 これで菅野との投げ合いは通算2戦2勝。16年5月27日には東京ドームで完封勝利を挙げており、菅野を相手にすれば巨人打線に1点も取られていない。もともと巨人ファンで、なかでも大ファンだった高橋監督を困らせる投球だ。金本監督も「一昨年(16年)の開幕直後のボールくらい、勢いというか投げっぷりが良かった」と絶賛した。

 粘る姿は後輩たちに伝わったはずだ。母校の横浜商大は今日26日から、神奈川リーグの入れ替え戦に臨む。在学中は一時代を築いたが、今季は10戦全敗と不調で2部転落の危機。愛着のある母校の後輩に、今季3勝目でエールだ。防御率も1・50まで下げた。食らいついて立ち向かう姿が、頼もしい。【池本泰尚】