大学野球界の雄として、神奈川大学リーグの横浜商大を35年間率いた佐々木正雄監督(69)が体調面を理由に今年限りで勇退することが19日、明らかになった。来年から助監督の井樋(いび)秀則氏(56)が監督になる。横浜市内で会見した佐々木監督は「選手のことを考え、来年から井樋を監督としてスタートをしたい。残りの期間、精いっぱいやりたい」と後進に道を譲る決意をした。

 佐々木監督は84年に横浜商大監督に就任した。当時2部だったチームを1部に昇格させ90年春にリーグ初制覇。以降春4回、秋2回のリーグ優勝を飾った。プロへは阪神山崎憲晴内野手(31)や岩貞祐太投手(26)、楽天西宮悠介投手(27)らに加え、今年も楽天へドラフト4位で渡辺佑樹投手(22)を輩出。全日本大学野球連盟監督会会長や大学日本代表のコーチなども歴任した。チームは今季10戦全敗。入れ替え戦で1部残留を決めたが最下位に沈んだ。佐々木監督は来年から総監督としてチームを支える。

 ◆佐々木正雄(ささき・まさお)1948年(昭23)9月17日、神奈川生まれ。横浜一商(現横浜商大高)3年夏に甲子園に出場しエースとして8強。日大3年時から日大明誠(山梨)野球部監督。84年に横浜商大監督就任。90年春の神奈川大学リーグで初制覇し、春4度、秋2度のリーグ優勝を飾った。