オリックスが「賞金1000万円」を喜べぬ形で手にした。延長12回引き分けで、交流戦のパ・リーグ勝率1位が確定。それでも福良監督の表情は険しかった。「心配ですね…。あの時は結構痛がっていたから」。開幕からフル出場の主砲にアクシデントが発生したからだ。

 同点に追いついた後の8回2死二塁。4番吉田正が阪神桑原から右翼手糸井の頭上を越す弾丸ライナーを放った。勝ち越しの適時三塁打。しかし三塁ベースを踏んだ時に右足首を痛めた。自力で歩けず、コーチとトレーナーに抱きかかえられながら三塁側ベンチに戻った。大阪市内の病院に直行。「右足関節捻挫」の診断を受けた。きょう22日の状態を見て、出場選手登録を抹消するかを決める。この日は適時打を含め2安打の活躍。交流戦MVPの有力候補だ。軽傷と見られるが、離脱すれば、チームにとっては痛い。

 9回には守護神増井が先頭打者の糸井に同点アーチを許した。セーブを記録すれば、交流戦史上6人目の通算30セーブの節目を迎えていた。交流戦最終戦でダブルの悲劇が起こった。指揮官はリーグ勝率1位にも「そこは関係ない。1つ1つやっていくだけ」と静かに話した。きょう22日からリーグ戦再開。同率3位のソフトバンクを迎える。【田口真一郎】