プロ野球、ドラフト会議から一夜明けた26日、DeNAから6位指名を受けたBC新潟の知野直人内野手(19)が自主トレを開始した。長岡市越路河川公園野球場でキャッチボール、ノック、ティー打撃を行った。前夜は興奮して眠れず、睡眠時間は2時間ながら「トリプルスリーを狙える選手になりたい」と眠気を吹き飛ばして目標を見据えた。

汗まみれの知野の顔は、この日の晴天の空のように明るかった。ドラフト会議前夜は「ドキドキで眠れず」午前4時就寝。一夜明けの26日も、指名された興奮で眠れず2時間睡眠で自主トレに臨んだ。ところが若い全身は眠気知らずだった。全身を喜びで躍動させながら体を動かした。BC新潟の稲葉大樹コーチ(34=内野手兼任)のノックに走り、ティー打撃で汗を噴き出させた。「指名されて1つ階段を上がった。ここから一番、険しい道になるけれど若さで全力を出したい」。

自主トレ途中で身も引き締めた。同行していたBC新潟・辻和宏編成部長(35)の携帯電話が鳴った。DeNA側からの電話。携帯を受け取った知野は「今まで以上に周囲の目が厳しくなるから行動に気をつけるように」と自覚を促された。DeNAは南場智子オーナー(56)が新潟出身で、日本文理出身の飯塚悟史投手(22)も所属。毎年、ハードオフ新潟で主催試合が開かれている。「早く1軍に上がって、新潟開催の日に戻ってきたい」と言った。

知野は走攻守の3拍子そろった内野手だが「売りは若さと足」と話す。50メートル5秒8の俊足で、今季の28盗塁はBCリーグのランク3位。打率は2割7分9厘ながら、BCリーグ選抜対オリックス・ファームとの交流戦(3日=大阪)では4打数2安打。ここ一番で暴れた。「(来春の)キャンプについていける体力をもう1回、一から作り直しておきたい」。知野はDeNA入団直後からスタートダッシュをかける決意だった。【涌井幹雄】