手の内隠さない。ドラフト1位の広島森下暢仁投手(22=明大)が28日、本拠地マツダスタジアムで調整を行った。

1日の中日戦(ナゴヤドーム)で中継ぎ登板する予定。順調にいけば開幕カードの中日戦(マツダスタジアム)での先発も予想される前哨戦となる。だが「今持っている力を出し切れれば」とアピールも含めて全力でぶつかっていく。

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甘いマスクでみなぎる闘志を隠しているようだった。新人右腕の森下は、開幕カードで当たる中日との対戦で自分の力を試すつもりでいる。「自分にしっかりといいイメージを持てるようにやっていきたい。手の内を隠す? 全然考えていません。今もっている力を出し切れればいい」。順調にいけば開幕カードでの先発が予想されるが、悠長に構える立場にないことは理解している。結果を残して、自らの手で開幕ローテをつかみ取るつもりでいる。

プロ入り後、初めてユニホームを着て本拠地で調整を行った。球団関係者に動線を確認しながら、ブルペンでは約40球を投じた。「こうやって球場でやると、いい球場で野球できるなと思いました」。シーズンのマウンドに上がるためには残るオープン戦で結果を残さなければいけない。

対外試合初登板となった前回22日のヤクルトとのオープン戦は3回2失点だった。立ち上がりの1回に2失点したものの、2回以降は立て直した。課題は立ち上がり。「慎重に行きすぎると良くないので、大胆に、アバウトにいけたらいいなと思います」。順調にいけばシーズン初登板まで、残り調整登板は3試合。1試合の重みが増す。新人らしく全力でぶつかり、収穫や課題を得ながらシーズンを迎えたい。

セ・リーグ本拠地球場での登板はプロ初であり、ドーム球場での登板は自身初となる。マウンドは高く、土が硬いと言われる。広島投手陣には苦手とする選手もいるが「あまり意識せずに行けるのかなと思います」と平常心で臨む。大観衆の中での登板を思い描きながらも、開幕までは無観客試合が続く。「まだ多い観客の中でもやったことないので、これからですね」。まだ手探りではあるものの、確かな手ごたえとともにシーズン初登板へ向けて歩を進めていく。【前原淳】