幽霊疑惑にマリンの都市伝説も/ロッテ福浦こんな人

試合後の会見で、「いちばん印象に残るヒットは?」の質問に、「今日の1本です」と笑顔で答える福浦(撮影・狩俣裕三)

ロッテ福浦和也内野手(42)が22日、西武24回戦(ZOZOマリン)の8回に右越え二塁打を放ち、史上52人目の通算2000安打を達成した。42歳9カ月での到達は、15年に42歳11カ月で達成した和田一浩(中日)に次ぐ2番目の年長記録。

<福浦和也こんな人>

◆ものまね王 若い頃は、宴会部長だった。福山雅治のものまねが得意で「こんばんは、福山雅治です」とラジオの語り口をまねして、そこから福山の歌を歌うのがお決まり。先輩たちから「やれよ」と言われ期待にこたえていた。松山千春もおはこ。打撃フォームも、ものまねが基礎。イチローとケン・グリフィーJrを合わせて自分のフォームにした。ボンズらもまねしたが、合わなかったらしく取り入れなかった。まだフォームが固まっていない頃、2軍の試合で毎試合違う選手をものまねしながら打っていた。

◆帰っちゃった 寮を出る3年目までは寝坊、遅刻の常習犯だった。レン・サカタ2軍監督から「ゴー、ホーム」と怒られて、本当に帰ってしまったこともあった。その後、中学時代に通ったそろばん塾で知り合った夫人との結婚もあり、意識が変わった。

◆はっちゃく デビュー間もない頃はいじられ役だった。試合にそんなに出ていないのに、凡退して帰って来た先輩に「あのスイングじゃ打てないですね」と言ってのけた。別の先輩から言わされているのだが、かわいがられた。当時はやったテレビドラマ「あばれ はっちゃく」みたいだな、ということで名付けられた。

◆リスペクト 投手から野手転向を指示するなど、野球人生を導いてくれた故山本功児氏を尊敬。子供の名前に「功」の字をもらったほど。

◆手がはやい 小宮山悟から一塁けん制時のタッチの速さを「日本一速い」とほめられた。

◆起きない 飛行機ではどんなに揺れても爆睡できる。プロ1軍初昇格の時は秋田から羽田へのフライト。強風で飛行機が飛ばないかもしれないほどだったが爆睡した。またある時は目的地に着いても起きず、チームメートがみんな降りてしまい、だれもいなくなった機内で目を覚ました。

◆ロッテガム好き ブラックブラックガムが好きで、試合前に30~40枚ぐらいをベンチの自分の席に置く。試合中にだいたい食べてしまう。

◆いたずら好き 弟子入り志願してきてかわいがっていた大松(現ヤクルト)の帽子とサングラスを瞬間接着剤でくっつけた。サングラスは帽子のつばの上に固定。「あれっ取れない」となった。また若手選手の私服を冷蔵庫に入れたことも。入れられた選手によると「パリパリになった服を広げて着て帰るんですけど、風呂上がりだと服がすぐ温まって着られるんです」。クリーニングから上がってきた若手選手のユニホームで汗だくの頭をつるりと拭いて、きれいにたたみ直して置いておいたこともあった。他にも、駐車場のコーンをだれかの車に載せておくのもよくやった。バンパーの隙間に挟まっていたこともある。

◆幽霊疑惑 オフの納会ゴルフや食事をした後でも、ZOZOマリンでウエートトレーニングを行う。午前2時ぐらいにやることもあったため、幽霊と間違われた経験もある。若手選手の間では「夜中にマリンに行くと福浦さんに会える」と都市伝説に。ある選手は「最初に姿を見た時は感動しました。一緒にやらせてもらいました。福浦さんはやらないといけないメニューがある時は、夜中でもやるんです。福浦さんのこと、悪く言う人っているのかなって思うぐらい、いい人です」。

◆オールドスタイル 俊足ではないが、ユニホームのズボンの裾を上げ、オールドスタイルの着こなしをする。これは用具メーカーへの敬意からの行動で、スパイクのロゴがしっかり見えるようにという配慮。

◆大食漢 食事の量が半端でない。焼き肉としゃぶしゃぶの両方を楽しめる店で、しゃぶしゃぶ10人前をたいらげると「さあ、焼き肉にしましょう」と、焼き肉も10人前をペロリ。42歳になった今でも、焼き肉を食べながら大ライスを2杯半、食べ終わって店を出るとはしごしてラーメンライス。さらに「おみや」と言いながらドーナツを買い込む。ラーメンやドーナツは「おとこ気ジャンケン」で一緒にいた仲間のうちジャンケンに勝った人がおごる。