ソフトバンク尾形崇斗とリチャードを支配下登録へ

広島対ソフトバンク 4回を無失点に抑えるソフトバンク先発・尾形(撮影・加藤孝規)

<オープン戦:広島0-6ソフトバンク>◇15日◇マツダスタジアム

ソフトバンクからまたも「育成の星」が誕生する。育成の尾形崇斗投手(20)が広島戦にオープン戦初先発して4回1安打無失点に抑えれば、同じく育成のリチャード内野手(20)も2号ソロ。2人は支配下登録が有力で、16日にも発表される見込みとなった。

尾形の力強い直球が強力打線を封じ込めた。1回。先頭の田中広に中前打を許したが「このままズルズルいったら昨年までの自分に戻る」と気持ちを切り替えた。菊池涼、西川を凡打に打ち取り、侍ジャパン4番候補の鈴木誠を迎えた。この日最速の147キロで押し込み、バットをへし折っての中飛。「最高でした。指に掛かった球なら一流選手を抑えられる。いい経験をさせてもらいました」と胸を張った。5試合で11回を投げて無失点。「1年ぶりの4回だったので疲れましたが、試合を作れる自信もついた」と語気を強めた。

大砲リチャードも負けていなかった。2回1死。広島のドラフト1位森下暢仁投手(22=明大)の147キロの真ん中低め直球を左中間席へ一直線に運んだ。「タイミングを合わせることを意識して打ちにいきました。芯で打つことが出来た」。オープン戦初戦の2月23日オリックス戦(宮崎市清武)でも尾形が中継ぎで3回無失点に抑え、リチャードは1号を放った。この日のダイヤモンド1周後、ベンチ前で尾形と抱き合ったリチャードは「いいコンビですね」と笑った。

ともに3年目を迎えた育成からの「卒業」を自ら祝うような活躍。昨年は周東が育成の星だった。今年は最後のオープン戦で仲良く有終の美を飾った「怪腕&大砲コンビ」が花を咲かせる。【浦田由紀夫】