“金太郎”と同郷の“鈴木大地”が“キムタク”を目指す。ロッテ・ドラフト3位の鈴木大地内野手(22=東洋大)が22日の自主トレ後に理想の選手像に元巨人コーチの木村拓也さん(享年37)を挙げた。「チームのために何でもできるという姿勢がすごい。捕手で出た時は衝撃を受けた。好きな選手は西岡選手ですが、目指すスタイルと言われれば木村さんです」と熱い言葉があふれ出た。

 木村さんは捕手で入団したが投手以外の全位置を務め、ベンチに捕手がいなくなると10年ぶりに捕手で出場した。鈴木の本職は遊撃手と三塁手。だが内野手は一通り、経験がある。「レベルはもちろん違いますが、捕手は中学で外野は中2までやっていた」。ユーティリティー選手として生き抜くということではなく、忠誠心を見習うつもりだ。

 名前は88年ソウル五輪100メートル背泳ぎ金メダルの鈴木大地氏にあやかり、名付けられた。「この世界で頑張って活躍して会えれば」と本家への対面も希望している。また出身地の静岡・小山町は童話で有名な金太郎の生誕の地とされる。野球界で金太郎といえば“阿波の金太郎”こと元巨人の水野雄仁氏が有名。「ケガをしてもいい、ぐらいの気持ちで全力でやる」。バサロ泳法のような一芸はないが、キムタク精神で野球界の金太郎を継承する。【広重竜太郎】

 ◆鈴木大地(すずき・だいち)

 1989年(平元)8月18日、静岡県生まれ。高校は神奈川・桐蔭学園でプレーも甲子園出場は果たせず。東洋大では1年秋からレギュラー。3、4年の春秋にベストナインを獲得し、5度のリーグ優勝と2度の全日本大学選手権優勝を経験。10年の世界大学選手権では日本代表に選出された。175センチ、79キロ。右投げ左打ち。