伝説的、あのシーンがよみがえる!?

 西武に「バック宙」ができる華やかなルーキーが現れた。ドラフト3位の金子侑司内野手(22=立命大)が13日、ソフトバンク秋山幸二監督を上回るパフォーマンスをすると誓った。偉大な“本家”に恐縮しつつ「秋山さんは側転でバック宙1回ですよね?

 僕はバック転2回に、バック宙1回です」と予告。新人合同自主トレ中で披露することは控えているが、技の精度の高さには自信たっぷりだった。

 そのインパクトは大きかった。86年の西武-広島の日本シリーズ第8戦。ホームランを放った西武秋山は、ホームベース手前で、側転からのバック宙でホームを踏んだ。生まれる前の出来事だったが、テレビ番組でVTRを見て「本当にかっこいい」と、初めて見るパフォーマンスに魅了されたという。

 立命館宇治高時代の運動会では、目に焼きついた西武秋山のように、バック転を披露したことがある。リレーのアンカーを任されたが、後続を大きく引き離してリード。盛り上がりに欠けると感じ、ゴールテープを切る瞬間にバック転を決めた。「何かやったろうかなと。盛り上がってくれた」。中学時代に練習を重ねて、バック転を独学で習得するなどジャンプ力は抜群で、高校入学時にはバレー部からも勧誘された。

 50メートル5秒8の俊足遊撃手は、大リーグに移籍する中島の後継者候補の1人で、西武伝統のイケメンの系譜も継ぐ。この日の即席サイン会でも、高い人気を誇った。「周りから見て、かっこいいなと思われるように」と、座右の銘は「華麗奔放」という。プロ野球は魅せるのも大事。リップサービスの意味合いもあるが、「バック転2回にバック宙1回」のホームインが実現すれば、ファン必見のパフォーマンスになりそうだ。【久保賢吾】

 ◆金子侑司(かねこ・ゆうじ)1990年(平2)4月24日、京都市生まれ。小学4年で野球を始め、右打ちだったが、小学6年時にスイッチ打者に転向した。立命館宇治では高校通算20本塁打を放つも、甲子園出場経験はなし。立命大では1年春からリーグ戦に出場し、大学日本代表にも選ばれた。俊足が武器で、50メートル走は5秒8。178センチ、70キロ。右投げ両打ち。