日本ハムのミチェル・アブレイユ内野手(34)の来季残留が決定的なことが5日、分かった。キャンプで実施したテストで今季限りの1年契約で入団したが、球団が来季の契約更新の選択権を持つオプションを保持していることが判明。現在で打率3割5厘、中田と並びパ・リーグトップの23本塁打の活躍度から、球団は権利を行使する方向で最終調整。残留が確実な情勢になった。

 日本ハムが早くも来季の躍進への一手を、打っていた。アブレイユが14年もプレーすることが確実なことが、分かった。年俸わずか2000万円と格安なことから今オフに自由契約になれば、他球団も含めて争奪戦は必至だったが、未然に流出阻止の防止策をとっていた。オープンにはしていないが、球団側がオプションを有しており、それを行使することで最終調整に突入した。

 アブレイユは昨年2月のキャンプにテスト参加。栗山監督が高評価を与え、獲得を希望したこともあり1年契約を交わした。その際に球団側は契約条項に、さらに1年間の契約更新できるオプションを付記。アブレイユ側が国内他球団などでのプレーを希望して自由契約を申し出ても、日本ハム側が再契約する意向を示せば、それが踏襲される。

 契約更新は当然の選択になる。出身の野球大国キューバで代表経験もあり、米球界を経験し、昨季まではメキシカン・リーグでも活躍。未知数だったが、貴重な右の長距離砲として欠かせない存在になっている。野球に対して真摯(しんし)な姿勢で、人間性に対しても周囲の評価は高い。球団幹部は「まだ最終決定ではない」としている。だが選手生命を左右するような大きな故障さえなければ、契約更新することは決定的だ。

 ファンからも「アブちゃん」の愛称で親しまれる、人気助っ人。早ければシーズン中にも双方で話し合いが行われ、球団側は行使する旨を伝える方向性で固まっている。シーズン終了後には正式決定する見込みだ。最下位へ沈む暗い現状だが、希望の朗報になった。