侍ジャパンの主砲、中田翔外野手(24)が6日、小久保裕紀監督(42)から就任期間中の“永久4番”に指名された。川崎市内で行われた初練習では、フリー打撃で柵越え3本に終わったが指揮官の信頼は不変。「僕が率いている中での中心選手」と、17年WBCまでの4年間は4番としての起用を明言した。さらに日本ハムで挑戦中の三塁守備の練習も奨励されるなど、始動初日から大きな期待を寄せられた。

 こだわりの打順が、いきなり確約された。中田が、今後4年間の日本代表の4番を任される。都内のホテルで行われた侍ジャパンの全世代結束式。「全力を尽くしたいと思う」と宣言した式典終了後、小久保監督が明言した。次のWBCまで中田が4番かとの問いに「そりゃ年齢的にも、そうでないと困る。僕が率いている中での中心選手」。就任期間中の“永久4番”に指名された。

 午前中は、アピール不足を嘆いていた。川崎市内で行われた初練習。フリー打撃で、柵越え3本にとどまった。「今日はバッティングがダメ。また、明日の練習でアピールしないと。もっともっと、打てるところを見せたい」。早々と4番として指名されたが、慢心はなかった。「日本代表の4番として出る力は、まだまだない」。練習から自慢の長打力を見せたかったが、消化不良に終わっていた。

 ちょっとした焦りを見せたが、小久保監督の信頼は絶大だった。結束式での言動を見て「しっかりしたことを、話そうとしている。自覚や責任を感じていると思う」と、頼もしく見つめた。午前の練習中には、日本ハムで挑戦中の三塁守備の練習も許可。今回の強化試合では「4番左翼」で起用されるが、来年以降の「4番サード中田」実現を期待して、代表でも可能な限りサポートするつもりだ。

 中田も期待に応えようと必死だ。仁志内野守備走塁コーチから、細かい動きなどをレクチャーされ、熱心に耳を傾けた。「こういう機会はそうそうない。それをチームに持ち帰れたら」と意欲十分だ。いよいよ今日7日に台湾入り。「この先も期待されるバッティングをしたい」。侍4番デビューを控え、力強く宣言した。【木下大輔】