阪神能見篤史投手(34)がキャプテンの鳥谷敬内野手(32)と「TNネットワーク」の結成だ。投手陣のリーダーとしての自覚をにじませ、チーム全体のコミュニケーションを強化したい考え。野手陣を引っ張ってきた鳥谷と積極的に話し合うプランを明かした。

 「チームがいい方向に向かっていかないといけないですし、来年はチームとして機能しなければ。キャプテンのトリ(鳥谷)に相談しながら、意見とか、こうなってほしいと口に出していこうと思っています」

 今季は巨人と一騎打ちになったが、最終的には12・5ゲーム差の2位に終わった。左腕エースは尻すぼみになったチーム状況を危ぶむ。18日の契約交渉の席上ではコミュニケーション不足を訴えた。宿敵を倒すためにも、投手と野手の一丸態勢は不可欠だろう。来季は35歳になり、若手に指導する自覚も十分。だからこそ、鳥谷とタッグを組んで、意思疎通を密にする。

 「野手の考え方もあるのでお互い理解しておけばいい。コミュニケーションをとって分かることもある」

 来季は節目のプロ10年目になり、手本を示す立場だ。若手投手だけでなく、清水や小宮山ら若い捕手にも自身の考えを伝授する。「いろいろ気づいた点を伝えようかなと。遠慮することはない。年齢も年齢なので」。より広い視野でチーム全体を見渡す。来年は順調なら国内FA権を取得するが前日27日には「タイガースにいると思う」と残留をにおわせた。チーム愛にあふれ、鳥谷と二人三脚で虎をまとめる。【酒井俊作】