ビッグなお年玉だ!

 阪神のドラフト4位梅野隆太郎捕手(22=福岡大)が3日、福岡市内の同大学で自主トレを公開。背番号44の大先輩で、史上最強助っ人と言われた元阪神ランディ・バース氏(59)から日刊スポーツを通じて金言を授けられた。始動日から異例のフリー打撃も披露。大学通算28発の強打者は、1年目から背番号44を輝かせる。

 「ネバーギブアップ(あきらめるな)!」。昨年12月、バース氏は来日した際に梅野が背番号44を背負うと伝え聞くと、快く色紙にメッセージを書き記した。そして「プロに入るとすべてのことが難しくなる。プレッシャーに負けるな」と成功への金言を授けた。

 阪神を85年日本一に導き、3冠王も獲得した「神様、仏様、バース様」の激励。14年の始動日、メッセージ入り色紙を受け取った梅野は、感激の表情を浮かべ、将来の対面にも思いをはせた。

 「歴史のある、同じ番号を背負うことができてうれしい。1年で活躍して、背番号44を表に出せるようにしたい。会える機会があれば、会いたいです」

 バース氏は宛名に「UMENO-CHAN」とローマ字で記した。年の差は37歳。親子ほどの年齢差であるため、梅野はバース氏の現役当時を知らない。しかし背番号「44」を背負う以上、虎党は脳裏に浮かぶ最強助っ人の残像と梅野を照らし合わせることになる。実際、背番号決定後は周囲からバースの名前をよく言われるというが「バースさんと自分はまた違ったタイプ。自分らしさを出していきたい」。背番号44を自分色に染める覚悟だ。

 バース氏は「44を次の時代の選手が付けるのはすごくうれしい。梅野にも1回会ってみたいね」と興味津々。梅野が1軍定着を果たせば、米国に住むバース氏にも活躍が伝わるかもしれない。

 この日は新年初練習にもかかわらず、いきなりマシンを相手にフリー打撃を行い、144スイング。安打性の当たりは64本と、偶然ながら打率4割4分4厘と自身の背番号を刻んでスタートを切った。

 「例年はしていないけれど、打ちました。初めての経験。まだ状態は半分ぐらいだけど、早い目に段階を踏んでいきたい。いいスタートを少しでも切りたい」

 大学通算28本塁打を誇る強打の捕手のプロ生活での目標は、捕手としてのフルイニング出場。そんな野望にもバース氏は助言した。

 「キャッチャーでもし1番になりたかったら、食べたり飲んだりもあるけれど、常に野球を考えなさい-」

 新たな44番物語を阪神ファンも待っている。【松本航】<梅野隆太郎(うめの・りゅうたろう)アラカルト>

 ◆生まれ

 1991年(平3)6月17日、福岡県筑紫郡。

 ◆福岡工大城東

 2年夏の県大会8強が最高。3年時には梅野が3番で、1学年下の阪神中谷が4番。高校通算25本塁打。

 ◆福岡大

 昨年の日米大学野球では全5試合4番。大学通算28本塁打。11月の明治神宮大会は初戦敗退も本塁打を放った。

 ◆男手ひとつ

 小4の春、まだ34歳だった母啓子さんをがんで亡くして以来、父義隆さんに男手ひとつで育てられた。

 ◆胸囲

 高校の時から筋トレに励み、胸囲は102センチ。入団発表では和田監督が「何だ、この胸は!」と驚きの声。

 ◆サイズ・タイプ

 173センチ、80キロ。右投げ右打ち。