ソフトバンクのドラフト1位、加治屋蓮投手(22=JR九州)が日刊スポーツの新春インタビューに応じた。1年目の目標に1勝でも多く重ねることを掲げ、意外な「健康マニア」ぶりも明かした。

 期待と不安が入り交じったというところか。プロ入りする加治屋は、現実をしっかりと受け止めていた。

 加治屋

 1年目の目標は1勝でも多く。何勝というのは正直分からない。投手陣も補強されて、争いは厳しくなる。開幕1軍に入って先発ローテを守れればいいが、そういうわけにはいかないかもしれない。1勝でも多く勝って、チームに貢献できれば。基本的には先発で勝負したい。

 先月に右足第3中足骨骨折が判明。練習好きが裏目に出たのか、疲労性だった。

 加治屋

 すごく順調に回復している。ほとんど痛みは感じていない。今でも走れる感じだが、無理して長引いてもいけないので。

 好きな言葉は「野球ができる環境に感謝」という。

 加治屋

 社会人2年目の冬に、左すねが痛くなった。「シンスプリント」という症状ですが、次の年の夏まで走れなかった。その時期に思ったんです。体がベストじゃないと野球ができないし、野球をさせてくれる環境を与えてくれる人がいる。指導者や会社の人、野球部を支援してくれる人とか…。そういう意味で野球に対する気持ちがよりいっそう強くなった。

 現在は別メニュー調整中だが、体のケアにはかなり気をつかっているという。

 加治屋

 高校1年生の秋から、風呂上がりには毎日40分くらいストレッチをやっている。ご飯を作って待っているおやじに「長すぎる」とよく怒られた。今もやらないと気が済まないし、気持ち悪くて寝られない。きっかけは弟と体の柔らかさを比べる勝負。負けたくなかったので柔軟体操の意味で始めた。それがだんだんと、次の日に練習の疲れを残さないようと狙いが変わってきた。体が柔らかいとはよく言われる。

 他にも自分なりに、健康に配慮してきた。

 加治屋

 高校3年間は炭酸飲料を飲まなかった。体の線が細くて、炭酸を飲むとおなかが膨れて食べられなくなる。食事の量を増やしたかったので。ジュースもほぼ果汁100%のものだけを飲んでいた。疲れがとれやすいと聞いたから。社会人時代もお酒はできるだけ控えていた。体に悪いとは思わないが、必要以上に飲む必要もないかなと。一升瓶を持つくらいなら、オレンジジュースを両手に持ちますよ。今までは身近にやれることをやってきたけど、プロではいろんな人に聞いて、より健康には気を使いたいと思う。

 高2の夏、母伊津子さんが38歳の若さで急逝。父博樹さんが苦労してサポートしてくれた。

 加治屋

 お父さんはすごく応援して支えてくれた。両親がいなかったら、こうして野球はできていない。感謝しながら、プロでも精いっぱい頑張りたい。

 ◆加治屋蓮(かじや・れん)1991年(平3)11月25日、宮崎・串間市生まれ。大束小3年から軟式野球を始め、大束中では三塁手。福島で本格的に投手を始めた。2年秋からエース。2年夏、3年夏は県2回戦で敗退。10年にJR九州に入社。家族は父と弟。趣味はドラマ、音楽鑑賞。遠投100メートル。背筋力250キロ。持ち球は最速152キロの直球とカーブ、スライダー、フォーク。183センチ、81キロ。右投げ右打ち。