秋山×馬肉=日本一?

 ソフトバンク秋山幸二監督(52)が両手を前脚に見立て馬が走るポーズを作った。「今夜?

 馬刺しだよ。馬を食ってスタミナをつけないと。走らないといけないからな」。11日、熊本へ向かう博多駅のホームでおちゃめに笑った。8連勝で首位キープし、2位とは4・5ゲーム差をつけた今、「走る」とは独走態勢に持ち込むことだ。今日12日の楽天戦は年に1度の熊本開催。熊本者(くまもともん)らしい験担ぎで勢いに乗る。

 8月27試合のうち本拠地は10試合だけ。「移動、移動で全然眠れないよ」と悩みを打ち明ける。そこで熊本名物の馬肉の登場だ。高タンパクで低脂肪、低カロリーは厳しい夏場にぴったりで、「馬肉は傷みやすいからな。地元で食べるんだ」と“ツウ”らしかった。

 また秋山監督とは浅からぬ縁がある。ダイエー現役時代の99年日本シリーズ。初戦で右足に死球を受けると王監督(現球団会長)から馬肉の差し入れがあり、これをペロリ。しかし、実は打撲の患部に馬肉を貼り付ける民間療法があり、湿布用として贈られたものだった。今ではこの話題に秋山監督は「さあ、そんなことあった?」と流すが、胃袋に収めたおかげで?

 ダイエーが初の日本一になった事実は見逃せない。

 11日は午前中に熊本へ移動し、3年前に他界した母ミスエさん(享年85)らが眠る墓前で手を合わせた。3年ぶり優勝へ-。ラストスパートをかけるパワー充てんの1日となった。早ければ17日にもマジックが点灯する。【押谷謙爾】