G倒から日本一や!

 阪神和田豊監督(52)が逆転日本一へ、ナインに熱い活を入れた。3日、レギュラーシーズン終了から1日のオフを挟み、甲子園で練習再開。11日のCSファーストステージから最長1カ月にわたるポストシーズンの戦いへ、再始動した。指揮官はCSファイナルステージで待つ巨人との決戦へ、気持ちを高ぶらせた。

 静寂の甲子園に猛虎戦士が集まった。1人、また1人…。午前11時、わずか1日の休息を終えて主将鳥谷や両外国人もリスタートした。突き進むのは、もちろん「日本一」のチャンピオンフラッグのみ。9年連続でリーグ優勝を逃したが、85年以来の王者になる権利は残っている。CS9戦そして日本シリーズが7戦。最大16試合を勝ち抜くべく、青芝の中央で指揮官が声を大きくした。

 和田監督

 気持ちをほどかずにしっかりと準備して、もう1度東京ドームへ乗り込もう。甲子園か広島か分からないが、巨人を倒して日本一を争う権利を手にしよう!

 虎将は熱かった。裏方も集めた輪の中央で、腰に手をやりながら思いを吐いた。1日広島戦に勝ち、昨年を上回る75勝68敗1分けでフィニッシュ。2位か3位かは、明日5日の広島-巨人戦に委ねている。いつも繰り返すのは「振り返っても仕方ないから前を向いて」。気持ちはポストシーズンへ向いていた。

 ボスの訓示に頼もしき主砲が応えた。打点王が確実なゴメスは、フリー打撃でいつものように快音を響かせた。ポストシーズンの経験は母国ドミニカ共和国で1度あり「チャンピオンになった」とにやり。阪神は過去1度もCSを突破したことがないが、今年は頼もしい4番がいる。CSファーストステージが行われるデーゲームは、打率3割5分6厘と好調。「自分としては普段どおり。ベストを尽くすだけ」と力こぶをつくった。

 巨人戦は3年連続で負け越した。それも、11勝9敗からの4連敗だった。タテジマ一筋30年目、和田監督は宿敵の底力を知る。だからこそ、それが大きな「栄養」になることも分かっている。広島に昨季CSのリベンジをしてからG倒、そしてパ・リーグとの決戦へ。実りの秋へ戦いは始まった。【近間康隆】<和田監督のこれまでの訓示>

 ◆13年1月31日

 春季キャンプ前日。「1つの考えとしてチェンジ。球界を代表する選手が去った変換期、同じようにやったら同じ結果になる。もう1つはチャンス。こういう時にチャンスをつかみ取れるか。最後はチャレンジ。はい上がるしかない。3つのCで大きなCをつかむ。チャンピオンになるための1カ月にしていこう!」

 ◆14年1月10日

 新人合同自主トレ1日目。岩貞らルーキーたちへ贈った。日々、注目される環境に「自分を見失うな!

 とにかくケガしないように」。プロで生きていくために「個性だけは大事にしろ!」。

 ◆14年6月24日

 交流戦を終えリーグ再開に向けて練習前に外野芝生にナインを集め「もう1回、開幕のつもりで頑張ろう」。