地元の怪物を徹底マークする。中日が来年のドラフト1位候補として県岐阜商の高橋純平投手(2年)をリストアップしていることが28日、分かった。高橋は今秋の東海大会で最速152キロをマークした本格派右腕。既に阪神が密着マークの方針を固めるなど、豊作と言われる15年ドラフトでも目玉になる可能性を秘めた逸材だ。

 中田スカウト部長の言葉からその意気込みが伝わる。「ものが違う。現時点で(1位で)競合する可能性がある。個人的には1位でいってほしいと思っている。それくらいの素材」。すでにメジャーを含む複数球団が同校を訪れる“高橋詣で”をスタート。1年後のドラフトに向けた動きは活発化している。

 高橋は今秋の東海大会で152キロを連発し、一気に注目された。しなやかなフォームから投げ込む力のある直球に加え、カーブ、スライダー、スプリットと球種も多彩。同大会では4試合33イニングで自責1の防御率0・27。驚異的な数字を残してチームを準Vに導いた。出場を確実にしている来春のセンバツは、大会NO・1投手として話題となりそうだ。

 阪神などは来年1月7日の練習開始日から担当スカウトを同校に派遣する予定だ。一方、中田スカウト部長は「相手方に迷惑がかからないように(担当スカウトには)行くなと言ってある」とグッと我慢する方針。9日に予定されている年明け最初のスカウト会議を終えてから、あいさつに訪れる。地元の宝を逃すことはできない。竜の本気度は高い。

 ◆高橋純平(たかはし・じゅんぺい)1997年(平9)5月8日、岐阜市生まれ。小学2年時、梅林スポーツ少年団で野球を始める。梅林中では揖斐パワーボーイズに所属し、岐阜県選抜に選ばれた3年秋の大会で142キロをマーク。県岐阜商では1年春からベンチ入り。2年春は県決勝で自ら逆転3ランを放ち優勝。夏は4強。今秋の東海大会準Vに貢献。右投げ右打ち。183センチ、76キロ。

 ◆中日の主な高卒ドラフト1位投手

 72年の鈴木孝政(成東)は、球団史上4位の124勝、同5位の96セーブと大車輪の活躍。76年の都裕次郎(堅田)は、82年に16勝を挙げ優勝に貢献。79年牛島和彦(浪商)は、在籍時77セーブと抑えの切り札に成長。86年近藤真一(享栄)は、プロ初登板の87年8月9日巨人戦でノーヒットノーラン。88年今中慎二(大阪桐蔭)は、93年最多勝(17勝)となるなど左腕エースとして名を残した。