ドラフト1位にふさわしい活躍をしたい!
昨秋ドラフトで中日から1位指名された、静清出身、三菱日立パワーシステムズ(PS)横浜の野村亮介投手(21)が、ルーキーイヤーに向けての率直な思いを吐露した。喜びと同時に抱える不安、先発に対するこだわりとチームから寄せられる期待。厳しい世界に飛び込む覚悟があるからこその発言が続いた。
今月10日から、中日の新人合同自主トレがナゴヤ球場で始まった。野村は昨年いっぱいで三菱日立PSを退社し9日に入寮。プロとしての生活が始まった。
-何が楽しみですか
野村
楽しみと言えば楽しみだけど、厳しい世界なんでどうなるのか。不安もある。失敗すれば落ちこぼれていくので。
本人の慎重さとは対照的にチームからは即戦力としての期待がかかっている。
-社会人で一番印象に残っている試合は
野村
(昨年5月7日の)九州大会でのNTT西日本戦。そこで初めて完封した。というより初めて1試合投げ切れた。スコアも1-0で、スカウトの方もその試合をみていいと思ってくれたらしい。14年のベストピッチかな。
-うまくいった
野村
できすぎですよね(笑い)。うまくいきすぎて怖いくらい。社会人3年目でいきなりよくなって都合よすぎだろうと(笑い)。ドラフト解禁1年目で。いいタイミングで結果が出てくれたけど、こんなんでいいのかな、と(笑い)。
-指名当日の会見では新人王という言葉も口にしました
野村
先発として期待されているので、2ケタ勝ちたいと思ってる。それくらいはいかないと。
-21UW杯では抑えでした
野村
いい経験になった。抑えは1イニングで力を出さないといけないので難しかった。投げていくうちに調整したいと思っているので先発なら9回のうちに調整できる。その方が自分には合ってるのかな。
静清時代の11年にセンバツ出場。2回戦で日大三に敗れたが自慢の制球力で強打の相手を3失点に抑えた。最後の夏は準々決勝で常葉学園菊川に2-3でサヨナラ負け。プロを意識しながらも社会人に進みチャンスを待った。
-高校のときは何が物足りなかったのですか
野村
全体的に質が悪かった。真っすぐも変化球も。プロでやっていける実力とは思わなかった。
-改善してきた点は
野村
真っすぐがよくなった。キレもスピードも。全体的にレベルアップしたけど真っすぐがよくなったから変化球もよくなった。
-セットポジションへの変更も効果がありましたか
野村
セットにしたのは3年目のキャンプから。最初は意識しながら。今は違和感なくセットの方がしっくりくる。毎日投げ込んでフォームも安定してきた。
-伸ばしたいところは
野村
スタミナは1試合投げきれるようになりたい。制球ももうひとおし。
聖隷クリストファー・鈴木翔太に続いてのドラフト1位入団。チーム内だけでなく競争相手は多数いる。
-同僚だった福地元春投手もDeNA入りしました
野村
ライバル意識はあまりない。試合で投げ合えば意識するかも。でも、自分が結果を残さないと。結果を出さないとライバルもつくれないと思うので、結果を出すことしか考えていない。
ボールを握り野村はプロでの活躍を誓い空を見上げた。その瞳には一点の曇りもなかった。【構成・加納慎也】
◆野村亮介(のむら・りょうすけ)1993年(平5)7月9日、静岡市清水区生まれ。友人からサッカーに誘われるも、小1で飯田リトルジャイアンツに入団。清水飯田中から静清へ。エースとなり3年春にセンバツ出場。1回戦で京都成章相手に完投勝利を収める。最後の夏は県大会準々決勝敗退。三菱重工横浜に入社。1年目から公式戦出場。3年目には都市対抗のホンダ熊本戦に先発。高校時代は140キロだった最速は149キロまで伸びた。球種はスライダー、カットボール、フォーク。家族は両親と兄2人。右投げ右打ち。188センチ、86キロ。