ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への準備を整えた。日本の主砲、DeNA筒香嘉智外野手(25)が20日、練習試合の韓国KIA戦に4番左翼で出場。1回に2試合連続となる先制二塁打を放った。データのない初対戦の相手から内角寄りの球を逆方向へ運んだ安打は、WBC本番に向けての好材料。巨人阿部から習った練習法を実戦で生かした。

 データのない初対戦の相手に、滑らかなインサイドアウトの振りを見せた。1回2死二塁、カウント2-2から真ん中内寄りの直球を、逆方向の左中間へ運んだ。2試合連続となる初回の先制二塁打。これで2試合で3本目の適時打となり「うまく反応できました。理想がないので近づいているかどうかは分からないですが、状態は良くなっています」と自信に満ちた表情で答えた。

 第2打席は高めのつり球に空振り三振、第3打席は四球だった。「真っすぐを待って変化球に対応。変化球を待って真っすぐに対応。今日もいろいろ試せた」。結果を欲しがることなく、先々を見据えて泰然自若としていた。

 練習が生きた。フリー打撃では、まず右投手を相手に逆方向へ打ち返すことから始める。前々日の18日は、打撃ケージの左側を狙い、6球連続でケージから打球が出なかった。極限まで投球を引きつけ、内側からバットを出す訓練。これは前回大会で4番を張った阿部の調整方法だ。助言を受けて取り組み、さっそく内寄りの直球を左中間にはじき返した。

 ベネズエラ出身のラミレス監督は試合後、筒香がWBCで活躍すると予言した。2人はメールやLINE(ライン)のスタンプを送る間柄だが「ラテン系の投手は速球を内角に投げ込む。筒香は長所を出せば打てる」。第2ラウンドはキューバ、準決勝以降は前回王者のドミニカ共和国など中南米との対戦が濃厚。阿部流調整は先々にも有用となる。

 今日21日はキャンプが休日で、22日に沖縄から宮崎入りする。これで23日から始まる日本代表合宿前では最後の実戦を終えた。「個人としては、いいコンディションでいい準備ができて宮崎に入れます」。今後も主将としてDeNAの選手と連絡を取りながら、日本代表での活躍を届ける。【斎藤直樹】