第４回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）が３月６日から開幕！ ２大会ぶり世界一を狙う侍ジャパンだが、参加国も有力選手で戦力を整え、頂点を目指す。
現役バリバリのメジャーリーガーら各国のスーパースターを紹介する。
１２年に３冠王！ダルも脱帽
ミゲル・カブレラ内野手 １９８３年４月１８日、ベネズエラ生まれ。９９年にマーリンズと契約してプロ入り。０３年に２０歳で初昇格。０４年から４年連続、１０年から７年連続、計１１回の球宴選出。タイガースに移籍した０８年に３７本で初本塁打王、１０年に１２６打点で初打点王、１１年に打率３割４分４厘で初首位打者、１２年には打率３割３分、４４本塁打、１３９打点でア・リーグ３冠王。１２年、１３年は２年連続でア・リーグＭＶＰ。１３年には３割４分８厘で３年連続、１５年に３割３分８厘で４度目の首位打者。新人の年と１２年にワールドシリーズでいずれも本塁打を放っている。レンジャーズのダルビッシュがかつて、カブレラとの対戦を振り返り「打球が消えました。これはもう、世界でこいつしかできない」と脱帽した。１９３センチ、１０９キロ。右投げ右打ち。
- ベネズエラのミゲル・カブレラ内野手
身長低すぎて最初のテストは不合格
ホセ・アルテューベ二塁手 １９９０年５月６日、ベネズエラ生まれ。０７年にアストロズと契約してプロ入りし、１１年７月に２１歳で初昇格。現役では最も身長の低い選手で、アストロズに入団する際も、テストを受けたが身長が低すぎるという理由で最初は不合格。だがマイナー時代からすぐに頭角を現し、１１年にベースボール・アメリカ誌のベストナインに選出。メジャー２年目の１２年に球宴初選出、１４年から３年連続で計４度の球宴選出。１４年には打率３割４分１厘で初のア・リーグ首位打者、１６年に３割３分８厘で２度目の首位打者。盗塁は１４年に５６、１５年に３８で２年連続盗塁王。昨年８月１７日に７８６試合目で通算１０００安打を達成し、イチロー（マーリンズ）の６９６試合に次ぐ史上２番目に速い達成となった。１６８センチ、７５キロ。右投げ右打ち。
- ベネズエラのホセ・アルテューベ二塁手
１０年にサイ・ヤング賞
フェリックス・ヘルナンデス投手 １９８６年４月８日、ベネズエラ生まれ。０２年にマリナーズと契約してプロ入りし、０５年に１９歳で初昇格。０９年に球宴に初選出され、１９勝で最多勝、１０年に２・２７で最優秀防御率でサイ・ヤング賞受賞、１４年に２・１４で２度目の最優秀防御率、０９年から６年連続２００奪三振以上を記録。球宴選出は１１年から５年連続を含む６度。１２年８月１５日のレイズ戦で、メジャー史上２３度目の完全試合を達成した。愛称は「キング」。１１年から本拠地セーフコフィールドで登板する日は「キングス・コート」と呼ばれるファン専用席が左翼側に設けられ、そろいの黄色いＴシャツを着て三振を奪うたびに「Ｋ」のカードを掲げるファンが名物となった。ＷＢＣ代表入りは０９年の第２回以来。１９１センチ、１０２キロ。右投げ右打ち。
- ベネズエラのフェリックス・ヘルナンデス投手
１４年間で３割超９度
ビクトル・マルティネス指名打者 １９７８年１２月２３日、ベネズエラ生まれ。９６年にインディアンスと契約してプロ入りし、０２年９月に同球団でメジャー初昇格。０４年に球宴に初選出され、１４年までに５度選出。打撃タイトルを獲得したことはないが、メジャー１４年間で打率３割以上が９度、２０本塁打以上は７度と安定感抜群。３５歳だった１４年には自己最多の３２本塁打を記録し、出塁率４割９厘、ＯＰＳ０・９７４はリーグ首位だった。１５年は一塁で１０試合、１６年は５試合と、ここ数年はほぼ指名打者専門。これまで膝手術を数回受け、昨年は椎間板ヘルニアを抱えてプレーを続け１０月に手術を受けているため、大会出場に向けては調整遅れの可能性もある。愛称は「Ｖ・マート」。１８８センチ、９５キロ。右投げ両打ち。
- ベネズエラの指名打者ビクトル・マルティネス（写真は２００８年４月）
ア・リーグ最高の遊撃手
アルシデス・エスコバル遊撃手 １９８６年１２月１６日、ベネズエラ生まれ。０３年にブルワーズと契約してプロ入りし、０８年９月にメジャー初昇格、０９年には権威あるベースボール・アメリカ誌の若手有望株ランキングで全体１９位にランクインした。１１年からロイヤルズに移籍し、１２年に１４５試合以上の出場では自己ベストの打率２割９分３厘、３５盗塁をマーク。チームがワールドシリーズに進出した１５年には、前半戦で打率２割９分をマークし初の球宴選出。１６年に２年ぶり２度目の１６２試合の全試合出場を果たし、チーム内で唯一の全試合出場２度達成。守備でもエンゼルスのシモンズ（オランダ代表）と並んでア・リーグ最高の守備を誇る遊撃手と評されている。１８６センチ、８４キロ。右投げ右打ち。
- ベネズエラのアルシデス・エスコバル遊撃手
レアルのファン
エンデル・インシアルテ外野手 １９９０年５月２日、ベネズエラ生まれ。０８年にダイヤモンドバックスと契約してプロ入り。１３年の開幕戦に同球団でメジャー初昇格を果たしたが、試合には出場せず１試合で降格、１４年５月に再昇格してデビューを果たした。２年目の１５年は自己ベストの打率３割３厘、２１盗塁をマーク。１５年１２月にブレーブスにトレードされ、移籍１年目の昨季は、中堅手としてリーグ最多のゲッツー４度成功、外野手として同２位の補殺１４個など、守備で活躍し初のゴールドグラブ賞受賞。昨年１２月にはブレーブスと５年３０５０万ドルの長期で契約延長した。サッカー好きで熱心なレアル・マドリード・ファン。今季からＭＬＳに加入する地元チームのアトランタ・ユナイテッドの宣伝にも一役買っている。１８０センチ、８６キロ。左投げ左打ち。
- ベネズエラのエンデル・インシアルテ外野手
あだ名は小さな雄牛
オドゥベル・ヘレラ外野手 １９９１年１２月２９日、ベネズエラ生まれ。０８年にレンジャーズと契約してプロ入りし、マイナー時代の１３、１４年にテキサスリーグのオールスターに選出。１４年１２月にルール５ドラフトでフィリーズに移籍し、１５年４月の開幕戦で中堅手としてスタメン出場しメジャーデビュー。１年目はシーズン通してメジャーに定着し１４７試合出場、２年目の１６年は前半戦で打率２割９分４厘、１０本塁打をマークし初の球宴選出。守備では中堅手としてナ・リーグ２位、外野手としては全体で４位の１１補殺を記録。ただし失策もリーグの外野手最多の９と荒さもあった。少年時代に体が強かったことから父親から「エル・トリト（小さな雄牛）」とあだ名を付けられていた。１８６センチ、９３キロ。右投げ左打ち。
- ベネズエラのオドゥベル・ヘレラ外野手
強肩強打 １５年ＷＳでＭＶＰ
サルバドール・ペレス捕手 １９９０年５月１０日、ベネズエラ生まれ。０６年にロイヤルズと契約してプロ入り。１１年８月に同球団でメジャー初昇格を果たし、今季まで７年間、ロイヤルズ一筋にプレー。１３年から４年連続球宴選出、４年連続ゴールドグラブ賞受賞。ジャイアンツと対戦した１５年ワールドシリーズでは、５試合で打率３割６分４厘を打ちＭＶＰに輝き、１６年には自己最多の２２本塁打をマークし初のシルバースラッガー賞を受賞。メジャーの捕手が投手の球を捕球してから二塁に送球するまで平均２・０秒かかるが、ペレスはこれを１・８秒で行い、しかもコントロールも正確。メジャー屈指の捕手と評されているだけでなく、明るく常に笑顔を絶やさない人柄で、チームメートからも慕われている。１９１センチ、１０９キロ。右投げ右打ち。
- ベネズエラのサルバドール・ペレス捕手
イチの同僚でリーダー的存在
マーティン・プラード三塁手 １９８３年１０月２７日、ベネズエラ生まれ。０１年にブレーブスと契約してプロ入りし、０６年に２２歳で同球団で初昇格。０８年から３年連続で打率３割超えをマークし１０年に球宴選出。０９年から６年連続で２ケタ本塁打、昨季は打率３割５厘で６度目の３割超えを記録。守備のタイトルを獲得したことはないが定評があり、１５年と昨季は併殺成功数がリーグの三塁手の中でともに２位。１３年にダイヤモンドバックス、１４年にヤンキースに所属し、１５年からマーリンズでイチローと同僚。チーム内ではリーダー的存在となり、昨年１０月の最終戦では監督役を務めた。ブレーブス時代の同僚チッパー・ジョーンズは１３年の永久欠番式で、プラードがお気に入りの同僚だったとスピーチしている。１８３センチ、９８キロ。右投げ右打ち。
- ベネズエラのマーティン・プラード三塁手
弱点なし「６ツール選手」
カルロス・ゴンザレス外野手 １９８５年１０月１７日、ベネズエラ生まれ。０２年にダイヤモンドバックスに入団し、０８年にアスレチックスでメジャー初昇格。０９年から現在までロッキーズでプレーし、１０年に打率３割３分６厘でナ・リーグ首位打者。１２、１３、１６年に球宴選出。１０、１２、１３年にゴールドグラブ賞受賞。１０年から４年連続で２０盗塁以上、１５年には自己最多の４０本塁打を記録し、走攻守にスピード、パワーとすべてを兼ね備えた「５ツール選手」と評される。かつてロッキーズ監督を務めたジム・トレーシー氏は、ゴンザレスが５ツールに加えて性格も良く人格者であることから「彼は６ツール選手だ」と称賛している。愛称は「ＣａｒＧｏ（カーゴ）」。１８６センチ、１００キロ。左投げ左打ち。
- ベネズエラのカルロス・ゴンザレス外野手
