「K-1 WGP 2015 THE CHAMPIONSHIP」(21日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)のスーパーファイト70キロで、エメリヤーエンコ・ヒョードル推薦選手のドミトリー・グラフォフと対戦する中島弘貴が、インタビューに応じた。

 -7・4代々木でのK-1 WGP 70キロ初代王座決定トーナメントでは、1回戦でサニー・ダルベックにKO負けという結果でした。あの試合にはどんな収穫と反省点がありましたか?

 中島 ダルベックと相対してみて、パンチは強かったですけど、そんなに力負けもしなかったし、1ラウンドのまま戦えば勝てるなと思いました。そこで自分がディフェンスでミスをしてKO負けしてしまったんですけど、そこまで世界の差を感じることはなかったです。

 -今までは海外の選手と実力の差を感じていたのですか?

 中島 K-1 MAXでアルバート・クラウスとやった時に試合中に『これはかなわないな…』と思ったことがあるんですけど、ダルベックとやった時にそういう感情はなく、自分がミスせず戦えば勝てる相手だと思いました。

 -ではダルベック戦は敗戦は、より残念だったわけですね。

 中島 はい。結果はKO負けでしたけど、これなら世界でも勝っていけると思って、すぐに練習を再開しました。だから試合に負けても目標が出来たという感じですね。

 -ある意味、敗れてもなお自分の実力を確かめることが出来た?

 中島 そうですね。自分の実力は絶対に世界に通じると思いました。

 -中島選手はどこに日本人選手と外国人選手の差があると思いますか?

 中島 なんなんですかね…(苦笑)。やっぱり優勝したマラット・グレゴリアンや準優勝のジョーダン・ピケオーを見ていると体はデカいなと思います。日本人と比べると背中のデカさが違うんで、そうなるとフィジカルなのかなと思うんですけど。

 -中島選手は7月の試合でフィジカルの差を感じなかったのですか?

 中島 それはダルベックが相手だったからかもしれないです。グレゴリアンはもっとフィジカルが強いので、自分も体を大きくして外国人に負けないフィジカルを手に入れたいと思います。そのためにトレーニングしています。

 -今は日本人だけでなく、外国人たちも魔裟斗さんのような存在になることを目指して、K-1のリングにやってきていると思います。そういった勢いは感じていますか?

 中島 K-1は世界的に有名なイベントで、チャンピオンになれば世界的に有名になれるし、自分の名前を上げるぞというハングリー精神みたいなものは感じます。

 -中島選手はキャリアを積むに連れて、無理には打ち合わないスタイルに変わってきたと思います。それは外国人選手との対戦を見越してのものなのですか?

 中島 決して打ち合わないわけではないんですけど、強い選手はパンチだけじゃなくて蹴りも出来るし、今自分が目指しているのは“蹴りを効かせてパンチで倒す”スタイルです。まだ完成していませんが、自分はそういうスタイルを完成させたいと思います。

 -やはり、世界で通用するためには、何でもできる選手にならなければいけないと思いますか?

 中島 はい。自分もちょっとずつ試合で蹴りが出せるようになってきたので、もっともっと経験を詰んで自分のスタイルを完成させたいです。

 -そして今大会では元PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードルの推薦選手と対戦することになりました。中島選手はヴァンダレイ・シウバに憧れて格闘技を始めた経歴を持っていますが、ヒョードルにはどんな印象を持っていましたか?

 中島 格闘技を始めた頃にPRIDEを見ていて、自分としてはヒョードル=テレビの人という感覚でした。だからこういった形でヒョードルと関係がある選手と戦えるのはうれしいですね。

 -シウバはもちろんヒョードルも好きだったのですか?

 中島 はい。PRIDEのヘビー級では一番好きでした。あの冷たい感じで相手をボコボコにする姿が好きでしたね。

 -そのヒョードルの推薦選手と戦うことに特別な思いはありますか?

 中島 最初にヒョードル推薦選手と戦えると聞いてテンションが上がりました。どんな選手が来るんだろうと思ったからです。僕としてはどこかの外国人選手と戦うんだろうなと思っていたところに、ヒョードル推薦選手と言われて『おっ』と思いました(笑)。ただ自分が目指しているのはK-1のチャンピオンなので、その第1歩としてきっちり勝ちたいと思います。

 -同じ大会では王者マラット・グレゴリアン-挑戦者サニー・ダルベックのタイトルマッチも組まれています。ずばり意識はしますか?

 中島 はい。注目もしているし、まだ次の防衛戦は決まっていないと思いますけど、自分が次の挑戦者になれるように外国人選手たちをバンバン倒して、タイトルに挑戦できる立場になりたいです。グレゴリアンがチャンピオンのままなら対戦したいし、もしチャンピオンがダルベックに変わったら、リベンジしたいです。

 -中島だったら世界と戦えると期待してもらえるような試合を見せたいですか?

 中島 そうですね。他に日本人でそう思わせる7キロの選手はいないと思うし、Krushのベルトを持っている自分が日本の70キロのエースだと思うので、日本のエースとして外国人選手を倒していきたいです。

 -中島選手のことを日本のエースと呼んでも差し支えないですか?

 中島 11月の試合でそれを見せて、自分が70キロを任せてもらえる日本人になります。

 ◆中島弘貴(なかじま・ひろき) 1988年(昭63)7月5日、東京・八王子市生まれ。32戦21勝(13KO)11敗。K-1 WORLD MAX 2010日本トーナメント準優勝、第3代Krush70キロ王者。176センチ、バンゲリングベイ・スピリット所属。

 その他の対戦カードなど問い合わせは、実行委員会=03・6450・5470、http:www.k-1wg.comへ。