「K-1 WGP 2015」(21日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)の、メーンイベントで、65キロ王者ゲーオ・フェアテックスに挑む木村”フィリップ”ミノルが9日、東京・渋谷区のFighting Kairosで公開練習を行った。

 ゲーオとの大一番まで2週間を切ったが、「今までで一番いい状態なのかなと思います。ここまで問題なく来てますね」と現在のコンディションについて話した木村。9・22後楽園の平本蓮戦の後、「今年は連戦でボロボロの面もあった」と2週間ほど休養した。そして、「練習を再開してからはハイペースに追い込みやスパーリングをやってきました」という。

 今回のゲーオ戦に向けては、型にはまらない自由な発想で戦うことを念頭に置いてやってきた。「メッシやクリスチアーノ・ロナウドといったスターのプレーを見て、発想を柔軟しようと思ってやってきました。他の格闘技も見て対策やイメージを膨らませてきました」。

 公開練習でもシャドーボクシングで小刻みなステップワークを見せたかと思えば、ミット打ちでは自慢のパンチを封印して左右のミドルキック、ヒザ蹴り、そしてジャンピングキックまで披露。これまでの木村のイメージにはない動きで、仕上がりの良さをアピールした。

 木村は「蹴りにも自信がありますよ」とニヤリ。「ボクシングの感性で蹴るんですよ。そういうムエタイとは違うタイプの蹴りでゲーオを圧倒することも出来ると思っています」と蹴り合いになったとしても、譲るつもりはない。

 「自信がある分、自由に楽しく。それを試合でぶつけます。だから頭悪い感じでやりますよ。クレイジーなぶっ飛んだやつにならないと。ゲーオは正統派に対してトップレベルのものを持っているんで、俺はクレイジーに自由に、発想を豊かに」と木村ワールドを全開にするつもりだ。

 「辛いことが多くて明日が見えなくても信じてコツコツやっていればいいことがあるし、俺はそのチャンスをものにしてきました。俺はどういう意味でメーンを任されたか分かるし、だからこそ俺は思いっきり危ないやつになってクレイジーな、これぞK-1という試合をします」。

 今やK-1の中心選手となり、最高の形でゲーオの持つベルトに挑む木村。対戦相手やファンはもちろん過去や世間とも戦うつもりだ。「俺を昔のK-1やテレビに出ているボクサーと比べてもらっていいし、それでどっちが面白いかどうか決めてもらって構わない。そういうのを嫌う格闘家は多いけど、一般のファンの人たちが見る以上、面白いか、面白くないか、楽しいか、楽しくないかで決められるのは当たり前。俺は絶対にメーンを沸かせられるし、K-1のメーンにハズレはない。俺が最高のメーンを飾ります」。

 今年最後のK-1を飾る代々木大会のメーンイベントで、木村がどんな衝撃とインパクトを残すか、しっかりとこの目に焼き付けたい。

 大会の問い合わせは、実行委員会=03・6450・5470、http:www.k-1wg.comへ。