日本スーパーウエルター級王者の野中悠樹(38=井岡弘樹)が、同級1位丸木凌介(25=天熊丸木)を3-0判定で破り、5度目の防衛に成功した。

 13歳年下の挑戦者を巧みな駆け引きで前に出させず、終始自分の距離で有効打を重ねた。「終盤に流れを持っていかれそうになったのが反省点ですが、6、7割ぐらいは自分のボクシングができた。合格点ですね」と笑顔を見せた。

 試合前はハプニングの連続だった。3週間前、スパーリングの疲れから右足首をひねり、剥離骨折。ロードワークができない分、バイクをこいでスタミナ強化をはかる一方、懸垂をしていて今度は背中の古傷の部分に肉離れを起こした。

 「減量も思うように進まず、かなり無理した部分があった。最後の最後に何とか試合に間に合った感じです」

 12月10日の誕生日が来れば、39歳。ついに“大台”に王手がかかる。「ろうかいさで勝とうとは思っていないし、まだ衰えは感じていないので。ただここ数年は(ベルトを)失えば終わりという危機感の中でやっています」という。日本勢には“重い階級”だ。「“次は世界”と簡単に言えない階級ですが、まだまだ強いヤツとやっていきたい」と“限界説”を笑い飛ばしてみせた。