プロレス界のレジェンド、武藤敬司(55)が19日、都内のW-1事務所で会見し、3月末に両膝の手術を受け、今年いっぱい欠場すると発表した。手術は都内の病院で、金属製の人工関節を両膝に埋め込む手術を行う。

 武藤は長年、プロレスによる両膝の酷使で、歩くことも困難な状態だった。「今までも、医者と相談しながら人工関節を入れる話が出たが、人工関節を入れたらプロレスをやめろということだった。しかし、去年の末に1人の医者と出会い、人工関節を入れてもプロレスができるということだったので、手術を決断した」と武藤は経緯を説明した。武藤によると、今回手術を受ける医師は、米国プロバスケットボールNBAの選手や、スキーの選手に人工関節を入れる手術を施し、再び競技ができるまでに復帰させた実績があるという。

 手術の前に、3月14日の後楽園ホール大会が、今年最後の試合。「お医者さんに手術が成功してもムーンサルトプレスはやっていけないと言われた。3月14日の後楽園大会が、オレの最後のムーンサルトプレスになる」と、武藤の代名詞と言われた大技ムーンサルトプレスを繰り出すことを予告した。ムーンサルトプレスは、コーナートップにリング内を背にして立ち、バック転をしながら相手の体に覆いかぶさる大技。

 そのワザの多用によって、武藤の膝は変形してしまったという。「膝さえ治ったら、まだまだ何年もやっていく自信がある。治ったら、オレの趣味は散歩と登山にしようかな。子どもの頃、仮面ライダーにあこがれてプロレスラーを目指した。オレも人工関節を入れて、改造人間になれば、もしかしたら仮面ライダーに近づくかな。正義の味方として帰ってくるよ」と明るく話していた。