王者木村翔(29=青木)が3度目の防衛に失敗した。挑戦者の同級1位田中恒成(23=畑中)に0-2で判定負け。激戦を物語るように、試合後の顔は右目付近が大きく腫れていた。

セコンドには元協栄ジムで数多くの世界王者を育てた大竹トレーナーがついた。6回戦時代から目をかけられ、世界挑戦前からアドバイスをもらってきた。試合前には「すべて万全でありがたい。今一番脂が乗っていてワクワクする。KO決着したい」と話していたが、無念の結果となった。

19日に、中国企業2社と契約。世界3大蒸留酒の1つ「貴州茅台酒(きしゅうまおたいしゅ)」と北京ダックの老舗チェーン「全聚徳(ぜんしゅとく)」だ。中国が世界に誇る企業で、日本で販売戦略拡大の一環として契約が実現していた。

木村は昨年に五輪連続金の鄒市明から王座奪取し、中国で人気者になった。前回も中国でV2を果たして人気は増すばかり。「一緒に練習したい」と現在もジム会員の中国人は20人近い。日本駐在ビジネスマンも多く、今回はその紹介で中国企業との異例のスポンサー契約がまとまった。

今回は2社の名をトランクスのベルトと前面やガウンの背中に入れた。リング内外から強力なサポートを受けたが、田中の3階級制覇を阻止できなかった。