0-2の判定負けで3度目の防衛に失敗した王者の木村翔(29=青木)は「自分としては負けた気持ちはなかった」と試合後、素直な心境を口にした。

1回から下がることなく、真正面から打ち合ってきた挑戦者の同級1位田中恒成(23=畑中)に対して「想定内ではありました」とし、2回に被弾して動きが止まった左フックを含め「2回効いたのはありました」。中盤から右目が腫れ「最後は全然見えなかった」と視界が遮られながらも、7回には強烈な右拳を相手顔面に打ち込んでぐらつかせた。 接近戦からの両ボディーへの連打、右ストレート、左フックと木村らしい持ち味を出しながら、最後に敵地で仕留められなかった。

木村は「毎ラウンドで倒すつもりでいった。もっとプレッシャーをかけられれば良かったと思いますけど。12ラウンドで王者の根性はみせられたかと思います。終わって気持ちよかった」と振り返った。 気丈に話し続けていたものの、王座陥落したことに「今はチャンピオンから落ちたので受け止めていきたい。木村翔が本当のメインで試合できれば。本当は勝ちたかったですけれど…」と言葉を詰まらせ、両目から流れる涙をぬぐっていた。