WBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が完敗で王座から陥落した。2度目の防衛戦で同級3位ロブ・ブラント(28=米国)に0-3(110-118、109-119×2)の判定負けを喫した。

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村田がまさかここで負けるとは思わなかった。内容もいいところがまったくなく、ショックな負け方だった。大差の判定負けとは残念だ。

村田がプレスをかけても待ちの体勢で、そこへ先制攻撃を浴びて、前半でペースを握られた。最後までかわされ、前半を最後までズルズルと引きずってしまった。中盤に流れを引き戻したかったが、大きなダメージはなくても、スタミナも削られて攻めきれなかった。逆にブラントは調子に乗っていった。

ブラントは何より打たれても必ず打ち返してきた。左ジャブの腕は長く、打ち終わりを狙って、左右左のコンビネーションなどを返してきた。アッパーでアゴも突き上げられた。村田の両腕を固めたガードは堅いが、間を狙うアッパーは苦手。そこも突いてきた。

防御では村田の得意の右ストレートをかわしきった。左右へよく動き、ガードもよく、ブロックしたり、頭を動かしたり。ボディーも効かせず、左回りすることで、最後まで右をジャストミートさせなかった。

ブラントはうまく、よく研究していた。本場の米国人選手の強さ、層の厚さをあらためて知らされた。(元WBC世界スーパーフライ級王者)