大相撲の横綱白鵬(30)が所属する東京・墨田区の宮城野部屋が、秋場所(9月13日初日、両国国技館)を最後に移転することが28日、分かった。現在の部屋は4階建てで1階に土俵があり、引っ越しの原因は耐震構造の問題。白鵬らによる稽古の衝撃で倒壊の恐れがあるため、新たに同区内で京成押上線・八広駅近くに部屋を構える予定だ。

 部屋の移転はお家騒動が原因であることが多いが、今回は耐震構造が問題だった。白鵬は稽古中、勢い余って相手を羽目板(壁)まで突き飛ばすことがあるが、その衝撃はもちろん横綱級。あまりの破壊力で壁がきしみ、建物の耐久力が弱まった。居住には問題ないという。

 白鵬が出演する「住友林業」のCMでは、家屋の柱にどれだけテッポウを打ってもビクともしない住宅構造が紹介されていた。現在の部屋は1980年(昭55)に建てられ、翌年に耐震基準が「震度5程度」から「震度6以上の地震で倒れない住宅」に改定された背景もある。「稽古をするたびに強くなる」と言われていた白鵬が汗を流すたびに、皮肉にも部屋のダメージは蓄積されていた。