大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)の“豪腕復活”ぶりに協会関係者も、驚きの声を上げた。

 照ノ富士が前頭遠藤(26=追手風)を浴びせ倒した一番を、正面審判長として目の当たりにした審判部の山科副部長(63=元小結大錦)は「あの引きつけはすごかった。ひねり倒したもんなぁ」とうなった。好調の要因は「膝がよほど良いんだろう」とし、豪快さを取り戻した今場所の照ノ富士を「大関になった頃の相撲を取れている」と評した。

 また、協会トップの八角理事長(53=元横綱北勝海)も「膝の不安がないのは大きい。ようやく体に力が入るようになった。体を生かした豪快さというか」と、古傷の膝の状態の良さを好調の要因として指摘。横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)を1差で追う残り3日の土俵も「優勝経験もあるし、今日のような相撲なら『今場所は行ける』と思えるようになるのでは」と期待した。