大相撲秋場所で9度目の優勝を果たした横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が25日、東京・墨田区の部屋で一夜明け会見を行った。

 16年名古屋場所以来で、史上初の金星4個配給からの優勝となったが「優勝は優勝なので喜びは一緒ですよ」と、これまでの8回の優勝と比べて特別な思いはなく、素直に喜んだ。

 1918年(大7)夏場所以来99年ぶりの3横綱2大関休場という緊急事態となった秋場所で、1人横綱として最後まで土俵に立ち続けた。「大変とかはない。ただ、負けると言い訳できないし、そういう意味では大変だった。初めて1人横綱で出て、本当にいろいろ経験させていただいた」と感謝した。

 3日目から3日連続で金星を配給して10日目には4個目の金星配給で、トップだった豪栄道とは3差離れていた。「優勝とかは意識することはなかった。気持ちだけでも負けないように。そう思いました」と自然体で臨んでいたという。諦めずに相撲を取り続けた結果、賜杯を抱いた。「終わってみれば1日1日の戦いが優勝につながった。ほっとしている。本当によかった」と笑顔。そして「2桁取りたいと思う。目標の1つでもある。稽古に精進して目標に向かって頑張ります」と、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で10度目の優勝への挑戦に意欲を見せた。