大相撲の元横綱日馬富士関から暴行を受け、現在は冬巡業を休場している平幕貴ノ岩(27=貴乃花)の診断書が、巡業最終日の17日まで提出されない見通しとなった。問題の全容解明を目指す日本相撲協会危機管理委員会の鏡山部長(元関脇多賀竜)は15日、この日は「何もない」と動きがなかったと明言した。同部長が再三、貴乃花部屋を訪れて提出を促した、休場に必要な診断書は依然として届かず。協会は平日業務で鏡山部長も「土日は休み」と話しており、16、17日中に正規の手順で診断書が提出されることはなくなった。

 さらにこの日、危機管理委が20日の臨時理事会までに、貴ノ岩への聴取を断念したことも分かった。貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(元横綱)が、鳥取地検の処分が出るまで協力しないと協会に文書で伝えており、関係者は「こちら側がいくら言っても、来ない。もう無理だろう」と話した。理事会では予定通り調査報告を行うが「最終報告」の文言を変更する可能性がある。

 関係者によると、診断書の提出や聴取への協力以外にも貴ノ岩の病状の確認など、貴乃花部屋に届けたいずれの文書にも回答はないという。診断書未提出の休場力士がいながら、巡業が終わる異例の事態を招くことに加え、20日予定の最終報告も間に合わず。年内の問題収束は難しくなった。