大相撲の貴乃花親方(45)が23日、元横綱日馬富士関による弟子の十両貴ノ岩関への傷害事件に関し、日本相撲協会の対応に問題があったとして内閣府の公益認定等委員会に提出していた告発状を取り下げる意向を示した。

 京都府宇治市の貴乃花部屋宿舎で朝稽古後に取材に応じ、「ゼロに戻してスタートするようなふうに、弁護士と協議していきたい」と話した。

 方針転換のきっかけに、春場所8日目の18日に弟子の十両貴公俊(たかよしとし)関が付け人の力士を暴行した問題を挙げ「弟子のことでこれだけ多大なご迷惑をかけたのは事実。師匠として不徳の致すところ。協会の皆さんと協力していけるように努力してまいります」と話し、対立しないということかと問われ「はい」と答えた。

 同親方の代理人弁護士は「彼の考えをよく聞いて、対応していきたい。プラスの点があるならその(取り下げの)方向へ進むのでは」と述べた。公益認定等委員会の担当者によると、告発状は法律上で規定されたものではなく、取り下げには何ら支障はないとし、関係者の聴取にはまだ着手していないという。

 貴乃花親方は一連の言動に対し、相撲協会の役員以外で構成される年寄会から28日の会合での説明が求められている。「正式な要請があればお答えする所存です。(協会の)皆さんと協力し、私は一兵卒としてやっていくということ」と神妙な表情で語った。