大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会が23日、東京・両国国技館で開かれた。

 22日に千秋楽を迎えた名古屋場所では、19年ぶりに3横綱全員と大関1人が休場。北村正任委員長は「非常に異常な場所」と前置きした上で、休場した3横綱と新大関栃ノ心について「相撲界を背負っている立場の人間として反省してほしい。責任をそれなりに感じてほしい」と注文をつけた。

 横綱として史上単独1位の8場所連続休場となった、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)については、激励、注意、引退勧告などの決議はなかった。実は「激励の決議をしたらどうかという話もあった」(北村委員長)という。だが北村委員長は「激励することによって、何か意味があるのか、あまり意味がないのでは、ということになった。それなりの土俵を、きっちりと務めてほしい。何勝何敗ならいいというものではない」と、重圧ばかりかける可能性がある決議は「なし」となった。

 北村委員長の「本人が次の場所『やる』と言っているのだからそれを尊重したい。何とか気力を持続して、復帰を実現してほしい」というコメントをはじめ、横審の各委員からは、稀勢の里の復活に期待する声が相次いだ。山内昌之委員は「人の地位、職域については慎重に進める(べき)もの。横綱の地位、考えを決断するのは横綱自身。(そういう)大変重い地位なんです」と語り、宮田亮平委員も「次回は期待に応える仕事をしてもらいたい。それは優勝しかないでしょ」と話していた。