秋場所限りで引退する歴代最重量力士の西序二段12枚目大露羅(35=山響)が、東三段87枚目樹龍を寄り切りで破って、相撲人生最後の一番を白星で締めくくった。

ロシアから来日し、00年春場所で初土俵を踏んでから18年。角界一の大食漢として知られ、体重で注目を浴びた。17年8月には、元大関小錦の255キロを超える288キロを計測して史上最重量力士となり、今年8月には自身の記録を更新する292・6キロを計測した。現在は、場所前に少し落としたといい「288キロぐらい。おにぎり食べなかったらすぐやせました」と言って報道陣を笑わせた。

最高位は11年の東幕下43枚目ながらも、先代師匠の故北の湖親方(元横綱)の付け人を務めた。入門当初は「『北の湖って誰?』って思っていた」という。ただ時間の経過とともに「こんなにすごい人なんだなと思った」と驚いた。そして「かわいがってもらった。どこに行くにも自分を連れて行ってくれた。お父さんみたいだった。自分が若い時に父を亡くして、その時に『おやじって呼んでいいですか』って聞いたら、小さい声で『いいぞ』って言ってくれて泣きそうになった」と思い出を明かした。

思い出の一番は、01年秋場所での白鵬戦だ。史上最多の幕内優勝40回を誇る白鵬も当時はまだ序二段で、小さかった白鵬を浴びせ倒しで下した。「あれは忘れない。細い体だったけど目は光っていた。細い体だったけど、何でこんなに力があるんだろうと思った。そしたら一瞬で力つけていきましたね」と振り返った。

引退後は、ロシアに帰国する。それでも「35歳までやって日本は第2の故郷。また来ます」と宣言。「日本人の若い人は、何で相撲をやらないんだろう。日本の文化なのに」と少し寂しそうに言った。