稀勢の里(32=田子ノ浦)が、横綱としては87年ぶりとなる初日から4連敗を喫した。

東前頭2枚目の栃煌山を相手に、左を差して体を寄せ、立ち合いから一気に前に出た。だが土俵際のすくい投げで、ほぼ同時に土俵外へ。1度は稀勢の里に軍配が上がったが、行司軍配差し違えで敗れた。横綱の初日からの4連敗は、31年1月場所の宮城山以来、2人目で、1場所15日制が定着した49年夏場所以降としては初という不名誉な記録となった。

支度部屋に戻ると、髪を洗って風呂から出てきた。相撲界では、髪を洗うのは翌日に向けた験直しの意味合いが強く、5日目の出場意欲をほのめかす行動だった。その後、報道陣の質問には終始、無言だった。打ち出し後に福岡市内で行われた二所ノ関一門会に出席した、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「(宿舎に)帰って話そうと思います」と話すにとどめ、5日目の出場、休場について一門会終了直後は明かさなかった。