大相撲の冬巡業が10日、熊本・宇土市で行われ、地元出身の平幕正代(27=時津風)が凱旋(がいせん)した。

会場には孫の元気な姿をひと目見ようと、祖母の正代正代(しょうだい・まさよ)さん(89)も駆けつけた。正代家に嫁ぎ、偶然にも同じ姓名となった祖母の正代さんは「よく頑張っていました」と目を細めた。けがは付きものだけに、場所中は「毎日神様に祈っている」という。14年3月の初土俵以来、いまだ休場がない正代は「15日間相撲を取りきることが大事」と、祖母の祈りに感謝していた。

朝稽古のぶつかり稽古では、胸を出した大関栃ノ心から“かわいがり”を受け、体は土俵の砂でまみれた。「濃い内容だった。お客さんに元気な姿を見せられて良かった」とうなずいた。地元出身の力士として、会場では人気者。九州場所は福岡で開催されるが「熊本でも負けないくらい、相撲に興味を持ってもらいたい」と胸を張った。