貴景勝が稽古「浜松から」秋巡業途中参加の意向示す

稽古を終えた貴景勝(右)。左胸の内出血は、前日よりはわずかに快方に向かっていた

大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)で大関に復帰する貴景勝(23=千賀ノ浦)が2日、東京・台東区の部屋で、前日1日に続いて稽古した。若い衆をおんぶしてスクワットしたり、両手に持った器具を上げ下げしたり。9月の秋場所千秋楽の優勝決定戦御嶽海戦で左大胸筋肉離れのケガを負ったが、患部にも負荷のかかるメニューをこなして汗を流した。

内出血で赤黒くなっている左胸は、稽古を再開した前日よりは、わずかに変色が治まり、快方に向かっていることをうかがわせた。稽古後には「浜松から出ようと思っています」と、静岡・浜松市で行われる16日から、秋巡業の前半は休場するが、途中参加したい意向を明かした。「ケガした日は無理だと思っていたけど、少し回復してきた。巡業には巡業の空気があるし、相撲は取れないにしても、関取衆の稽古を見るとか、同じ空気を吸っていないといけない」と、あくまで九州場所出場を目指すという。

肉離れは筋肉の部分断裂を意味しており「再断裂したら取り返しがつかない。少しずつ戻していく」と、原則として無理するつもりはない。「巡業にしか見に来ることができない人もいるし、巡業は力士の仕事。夏も休ませてもらったので」と、ファンサービスに努める考えだ。だが「回復状況によっては、割にも入っていきたい」と、取組への出場も見据えている。

「(左胸は)見た目はひどいけど、内出血が出る前の方が痛かった。昨日よりもいい。回復している」と、6週間の加療を要するとの診断だったが、想定以上に早い復調を実感している。夏場所から2場所連続で休場し、秋場所で関脇に番付を落とす要因となった右膝のケガは「まったく大丈夫。膝だと歩くのも大変というのがあったけど、胸の場合は下半身も鍛えられるから」と、今後も基礎運動などを中心に、あくまでも九州場所に照準を合わせていく意気込みを語った。