SKE48酒井萌衣(19)が30日、名古屋のSKE48劇場で卒業公演に出演した。今月いっぱいでのグループ卒業を発表していた。

 アンコールの卒業セレモニーでは、同期の4期生で同い年の木本花音(19)と、NMB48の「今ならば」を歌った。NMB48山本彩が、卒業する渡辺美優紀に作曲した曲を、酒井は6年半、活動をともにした盟友との最後のデュエット曲に選んだ。お互い途中から涙が止まらず、歌えなくなってしまったが、木本は「6年半も一緒にいると、気持ちを伝えるのが当たり前になりすぎて、(卒業発表で)身に染みて萌衣の存在が分かった。6年半たって、こうして最後に普段、思っている気持ちを乗せて歌いました」と話した。

 10年に12歳で加入した酒井は、選抜経験こそなかったものの、得意のトーク回しで劇場公演を支える縁の下の力持ちだった。「6年半の中で、たくさんのメンバーの卒業を見送ってきて、ついに見送られる側になりました。どっちかというと(活動が)きついことの方が多くて、ファンの人を喜ばせることができなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいなこともあります」。それでも昨年は選抜総選挙で63位に初ランクインし、「ファンの方と一緒に喜べたことが幸せ」と笑顔で振り返った。

 面倒見のいい酒井らしく、スピーチでは、出演者全員に1人ずつ激励のメッセージを送った。「それぐらい大切なチームのメンバーだった。支えられたので…。こうしてメッセージを伝えているけれど、中には自分に言い聞かせていることもあります」。これからも芸能活動を続ける。「大人を見返す勢いで頑張っていきますので、この先も付いてきてほしい。アイドルとしてのステージは今日で降りますが、新たなステージに皆さんと上がっていきます」と、反骨心あふれる宣言でステージを下りた。