「19時より開演」「恵比寿にて開催」…決して間違っているわけではないですが、話し言葉の「夜7時からはじまります」「恵比寿で行います」に変えると自然で聞きやすいですよね。祝辞や挨拶、プレゼンに告知などなど、人前に立つとき、「話し言葉」を使ったほうが話しやすいし、伝わりやすい…ではどうしたらそれが素敵な言葉になるでしょうか。

トーク編15「素敵な話し言葉にするために」

 【前回までのあらすじ】日本語はその成り立ちの歴史から「話し言葉」と「書き言葉」がかけ離れています。台本や原稿は「書き言葉」になっていることがあるので、普段自分が話している言葉に書き換えると気持ちを込めやすいです。

私五戸がトークレッスンを担当しているダンス&ボーカルグループ「ハニカム.トーキョー」のメンバー。この5月にデビューします。まだまだこれからな部分が多いですが一生懸命な子たちです。ぜひ応援を(2017年3月撮影)
私五戸がトークレッスンを担当しているダンス&ボーカルグループ「ハニカム.トーキョー」のメンバー。この5月にデビューします。まだまだこれからな部分が多いですが一生懸命な子たちです。ぜひ応援を(2017年3月撮影)

代表的な書き言葉を覚えちゃおう

 ひとつは、何が「書き言葉」で何が「話し言葉」か覚えることがポイント。代表的な書き言葉は「19時より開演」の『より』(話し言葉は「から」)、そして「恵比寿にて開催」の『にて』(話し言葉は「で」)、ほかにも「いたす」や「お忘れなきよう」などの「なき」(話し言葉は「お忘れ物なさいませんよう」)、さらに、「本日」「昨今(さっこん)」などの音読みの熟語。ただ、これは感覚的なところもあります。

今アナタがしゃべっているのが「話し言葉」

 一番簡単なのは、普段しゃべっている言葉が「話し言葉」だと考える方法です。人前で話すからって、難しい言葉を使う必要ないんです。「話し言葉」でトークをするというのは、いつも通りしゃべるっていうだけのことなんです。

キーポイント・普段の言葉遣い

 さてここで鍵になるのが、普段の言葉遣いです。私が教えているアイドルの子でも、「マジヤバイ」「超キモい」と普段から言っている子はいまして、言葉狩りをする気はありませんが、ステージの上でもいつも通りの言葉遣いでとなると、マイクを持ったときでも「マジヤバイ」「超キモい」になってしまうのです…そのリアクションが必要なときは良いんですけども…。

ニッポン放送時代、朝の中継コーナーで毎日食レポをしておりました五戸です(2015年9月)
ニッポン放送時代、朝の中継コーナーで毎日食レポをしておりました五戸です(2015年9月)

いつも通りしゃべるだけなら楽チン

 普段から「マジヤバイ」以外にも「鳥肌立った」「素敵だった」「グッときた」と感想を言えていると、いつも通りにしゃべるだけでいい、となるわけです。以前に書いた「NGワードゲーム」もオススメ。

 アナウンサーでも、日常生活で「ら抜き言葉」を使っている人は、やっぱり放送でも出てしまうので、普段から使わないようにしている人が多いです。(皆さんは「ら抜き言葉」で問題ないと思いますが…)

食レポだってできる

 ご飯を食べて「美味しい」しか言えない子は、いざ“食レポ”をするとなっても「美味しい」しか言えないものです。「お肉がとろとろに柔らかくて美味しい」なのか、「口の中でずーっと残るお肉の旨味が美味しい」なのか…ずっと考えていると疲れるけれど、たとえば一日3食、毎日「美味しい」の表現を考えていたら、1カ月で90回機会があるので、かなり良い練習になります。

 友だちや家族の前で適切な感想を言うのは照れ臭いかもしれませんが、この場面では気にしてみようとか、ちょっとずつ練習していると、慣れてきます。人前でもそのまましゃべるだけの状態にできるので、挨拶もプレゼンもすごく楽になりますよ! そして広く言えば、モテると思います♪ (次回はトーク編16「トークの意識改革」です)

本日のごのへの・ご・ろ・く

日常から変えれば本番が楽。そしてモテる。