お笑いコンビ、ピース又吉直樹(35)の小説「火花」が16日、第153回芥川賞(日本文学振興会主催)を受賞した。都内で選考会が行われ、羽田圭介さん(29)の「スクラップ・アンド・ビルド」とともに受賞を射止めた。お笑いタレントの同賞受賞は初めての快挙。

 また、第153回直木賞は東山彰良さん(46)の「流」に決まった。

 1回目の投票でトップの票を獲得しての堂々たる受賞だった。9人の選考委員を代表して会見した作家山田詠美氏は「どうしても書かざるを得ない切実なものが迫ってくる。欠点も多々あるが、何か強いものを感じて、主人公と先輩とのまさに火花がよく書けていた」と選考理由を語った。

 又吉の「火花」は今年5月、同じく純文学作品を対象にした三島由紀夫賞の候補にもなり、決選投票に残って話題になった。

 ◆芥川賞選考委員 小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、村上龍、山田詠美