SMAP香取慎吾(38)が、初めて誘拐犯役を演じることが28日、分かった。フジテレビ系土曜プレミアムSPドラマ「一千兆円の身代金」(今秋放送)で、犯人役は12年の映画「踊る大捜査線 THE FINAL」以来3年ぶり5度目で、クランクインを前に心境を語った。

 「誘拐犯役。うれしいですね。真っ正面から笑顔で正義の声を発するのもいいけど、ちょっと違う方向から自分の声を投げかける役。お話をいただいて『ああ、俺はまだやれるんだ』と。僕を求めて、チャンスを与えてくれる人がいるから頑張れる」

 原作は作家八木圭一氏の同名小説で、13年の「このミステリーがすごい!大賞」受賞作。香取演じるナオトが、本田望結(11)演じる元副総理の孫を誘拐し、1085兆円という日本の財政赤字と同額の身代金を払うか、財政赤字を公式に謝罪しろとマスコミを通じて要求する内容だ。本田とはドラマ初共演で、香取は「天才子役は怖い。はかりしれないパワーがある。きっと完璧に仕上げて来る。でも、そのよろいがはがれて『人間本田望結』になる瞬間を作れれば。子供も大人も関係ない」と楽しみにしている。

 一方で香取は、現場に入るまでは、役のイメージ作りをしない主義で、「僕は常に素材でいたい。監督と話し、衣装合わせをして、セット、ロケ現場の空気に触れることで、ジワジワと作り上げるんです」と話している。【小谷野俊哉】