今年で3回目の「歌ネタ王決定戦2015」が9日、大阪市北区のMBSで開かれ、09年「R-1ぐらんぷり」王者のピン芸人、中山功太(35)が、COWCOWと同点ながら優勝を果たし、大手コンテスト2冠を達成した。

 R-1の優勝から6年。中山は意気揚々と、大阪から東京へ拠点を移したものの、仕事は「ほぼゼロ」。現在の住まいは、家賃4万9000円で「玄関含めて5・5畳」のワンルーム。週5日、都内の薬局で調剤助手のパート勤務。その収入で生計を立て、芸人としての収入は先月236円、先々月にいたっては22円だったという。

 「歌ネタをやり始めて、でも、正直、準決勝でさえ自信がなかった」

 大泉逸郎の「孫」から着想し、ただ歌うだけではなく「○○よぅ~」と語尾にアクセントをつける歌い方を取り入れた。着流し姿で、縁も面識もない世界的スターを歌うギャップも意識し、この日はレディー・ガガ、レオナルド・ディカプリオをネタにした。

 「このネタ、東京でいろいろ、ライブでやってもまったくウケなかったんですが、今日、初めてウケた。ウケなくても、好きでやってきたんで、よかった。今日のできが一番よかった」

 R-1王者の意地、勝負度胸が生きたようで、中山は「賞金より、これで2冠なんで、会社に堂々と『仕事ください』と言える」。表情を引き締め、芸人人生の再出発を期していた。

 また、今年は2組の同点優勝で、本来の優勝賞金300万円の配分などは未定だという。