名古屋を中心に活躍している俳優伊藤元昭(41)が、リリー・フランキー(52)主演の映画「一茶」(来年公開、吉村芳之監督)で時代劇に初挑戦している。元々は飲食業、不動産業を営む実業家。08年に映画製作に出資したことから役者の道に踏み出した。

 「高校を卒業した時に、経営者になってもうけるか、芸能界入ってもうけるか考えて、事業の道に進んだ。事業で年商100億円を超えた時に第2の人生にトライして、青春時代の夢である芸能界に飛び込みました」。

 事業を実弟や長年のパートナーに任せて、オーナー兼会長に。「最初は日活のスターだった川内民夫さんを相手に医者の役。患者役だった川内さんの『日常会話と同じでリラックスしてしゃべればいいんだよ』って言うアドバイスが身に染みました」と振り返る。

 ビデオ映画に多数出演し、10年に映画「さよなら夏休み」で映画デビューを果たした。今作品ではリリー演じる俳人・小林一茶の一番弟子・文路(ぶんろ)。薬種問屋の跡取りに生まれたが認められ、病に倒れた一茶の面倒を最期まで見る。初めという丁髷のカツラを照れながらも「リリーさんは、普通の役者さんとは違ったオーラを感じさせていただいてます。雰囲気とかしぐさも素晴らしいですね。現代劇とは違う、江戸言葉で演じるのにも勉強になります」と言う。一茶の母親役の中村玉緒(77)とは、過去に共演したことがある。「場を和ませてくれるのでやりやすい。でも、本番直前まで話し掛けてくれちゃうんですよ」と笑った。

 名古屋ではバラエティータレントとしても活躍。来月23日にはCD「君と夏と南の島」で歌手デビューする。巨人軍の高橋由伸監督のものまねタレント「ヨシノV(ブイ)」としても活動。「芸能界でも活躍して、誰が見ても伊藤元昭と分かる男になりたい」と言い切った。